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企業研究2020(2)菊正宗酒造(神戸市東灘区) 嘉納治郎右衛門社長(45)

2020.07.30
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清酒「百黙」を手に話す嘉納治郎右衛門社長=神戸市東灘区御影本町1、菊正宗酒造

清酒「百黙」を手に話す嘉納治郎右衛門社長=神戸市東灘区御影本町1、菊正宗酒造

菊正宗酒造が醸造・販売する商品群=神戸市東灘区御影本町1、菊正宗酒造

菊正宗酒造が醸造・販売する商品群=神戸市東灘区御影本町1、菊正宗酒造

 昨年、創業360年を迎えた灘五郷の酒造会社。清酒の製造販売が中心だが、近年は「美容と健康」をテーマに、日本酒を使った化粧品の開発などにも取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響や今後の課題について、嘉納治郎右衛門(じろえもん)社長に聞いた。

 -長い歴史を持つ酒蔵だ。

 「創業は酒造業に特化し始めた江戸時代初期の1659年。酒造りは、室町時代の約600年前から行っていたという記録もある。戦争や阪神・淡路大震災などのさまざまな災禍を乗り越えてきた。われわれが酒造りをしている灘は、全国の約30%が生産される酒どころ。特に当社は辛口の酒を昔から売りにしてきた」

 -コロナ禍の影響は。

 「飲食店に販売する業務用の売り上げが大幅に落ち込んだ。緊急事態宣言が出ていた4月と5月の業務用は、いずれも前年同月比で8割減った。直近は徐々に回復し、3割減程度まで戻っている。一方、外出自粛による『巣ごもり消費』がプラスに働き、紙パック酒などは順調に推移した」

 -清酒以外の事業にも力を入れている。

 「美容と健康の分野で新たなチャレンジを始めている。とりわけ、約10年前に参入した化粧品分野は、ようやく会社の収益に貢献するようになってきた。現在では売り上げの1割を占め、顧客からは『使い心地が良い』といった評価を得ている」

 -今後の課題は。

 「清酒の販売では、新しい需要層をどう開拓していくのかが大きなテーマだ。日本酒になじみのない女性や若い世代が飲みやすい酒の開発などを進めている。化粧品事業でも、将来は清酒の顧客となり得る10代や20代の若い世代への販路開拓を目指している」

(まとめ・中村有沙)

【メモ】1659(万治2)年、神戸・御影で創業。社員数は約240人。2020年3月期の売上高は99億5千万円。20年春の採用は2人、21年春の採用は5人を予定。神戸市東灘区御影本町1の7の15。TEL078・851・0001