衆院選 いま私は(7)専業農家・伊藤能之さん(53)=明石市
2021/10/28 05:30
稲刈りの作業を進める伊藤能之さん=神戸市西区平野町
■個人農家活気づく支援を
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代々の農家で、10年ほど前に脱サラして専業農家になった。妻の手も借りながら夏はキュウリやナス、冬はキャベツや白菜などを育て、主に市内の直売所で販売している。神戸市西区の土地で稲作をして、他の農家の手伝いもしながら生計を立てている。
米は需要の減少などで在庫が余り、値段が大幅に下がっている。野菜の価格も上がらない。なのに米作りなどに欠かせない機械の燃料や肥料は高騰しており、利益はほとんど残らない。こんなんじゃ辞めてしまう。
農業の衰退は高齢化が理由だけではなく、もう農業では食べていけないから。値段を下げるのではなく、どうにかして米を使う方法を考えるべきでは。
明石市内もどんどん農家が減っている。市街地は土地が高く、固定資産税が重くのしかかる。うちのような個人農家が市街地で農業を続けるのは特に厳しい。
まずは税金など支払うお金を見直してほしいのが本音。人口の増加で消費が増えるのはありがたいが、宅地が増え、近隣へのにおいや騒音の問題で辞めざるを得ない人もいる。
状況は厳しいが、農業の仕事が好きなんだ。おいしい野菜や米をつくる努力をして、みんなが喜んで食べてくれたらとてもうれしい。農業で頑張っている若者もいる。行政には個人農家が活気づくような支援をしてほしい。(川崎恵莉子)
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