ひょうご経済プラスTOP 経済 人気沸騰の神戸ビーフ、偽装対策急務 英百貨店が視察

経済

人気沸騰の神戸ビーフ、偽装対策急務 英百貨店が視察

2019.12.05
  • 印刷
牛の肥育状況を視察する英高級百貨店「ハロッズ」のハーフォードさん(右端)と田中畜産の田中久工代表(右から5人目)ら=丹波篠山市味間奥、同社

牛の肥育状況を視察する英高級百貨店「ハロッズ」のハーフォードさん(右端)と田中畜産の田中久工代表(右から5人目)ら=丹波篠山市味間奥、同社

 偽物が国内外で横行する神戸ビーフ。背景には人気の沸騰があり、今年2月に発効した日EUの経済連携協定(EPA)では相互に保護されるブランドとなった。その価値を理解しようと、英国の高級百貨店の担当者らが今秋、初めて兵庫県内の現場を視察した。

 世界各国に顧客を持つドイツの食肉卸「アルバース」共同代表のフランク・アルバースさん(45)と、英ロンドンの高級デパート「ハロッズ」で食品の品質管理を統括するエリー・ハーフォードさん(30)。両社ともEUで輸入が始まった2014年から神戸ビーフを扱う。

 牛舎に立ち入るには、ヒトを介した肉用牛への伝染病感染を予防するため、日本に入国してから1週間以上の間隔が必要だ。そのため、海外からの肉用牛の現場視察は珍しい。

 2人は9月、神戸ビーフのもとになる但馬牛(うし)を繁殖・肥育する田中畜産(兵庫県丹波篠山市)と盛本牧場(同県佐用町)、今年7月に近畿初のEU輸出の処理施設となった「和牛マスター食肉センター」(同県姫路市)を視察した。

 田中畜産では、1頭当たりの牛舎の広さや掃除の頻度、飲料水の水源などを質問。田中久工(きゅうこう)代表(44)は「愛情を込めて育てている現状を伝えられてよかった」と話す。

 同食肉センターでは、迅速に処理して牛にストレスを与えない様子を確認。盛本牧場では子牛や母牛の飼育の様子、使用ワクチンにも関心を示した。2人は「世界一の牛肉は生産現場も素晴らしい」とうなずいた。

 案内したエスフーズ(同県西宮市)の山路良平海外事業部長(41)は「オーストラリアなどで生産される『WAGYU(ワギュウ)』に混じり、偽物も出回る。欧州でしっかり本物を伝えてほしい」と話す。アルバースさんは海外モニター員の一人。偽物を扱う海外サイトの存在を知らされ、「ブランドを毀損(きそん)する恐れがある。帰国したら早速調べたい」と応じた。(山路 進)