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国連機関、神戸に途上国支援拠点 幹部「兵庫・神戸の人たち熱意高い」

2019.12.16
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国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)のヨナス・スヴェンソン氏=神戸市中央区小野浜町

国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)のヨナス・スヴェンソン氏=神戸市中央区小野浜町

 途上国の発展や紛争・被災地域の復興を支援する「国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS、ユノップス)」は2020年夏ごろ、神戸市内に先端技術を実証するアジア初の拠点を設ける。同機関グローバル・イノベーション部門代表のヨナス・スヴェンソン氏は16日、神戸新聞社のインタビューに応じ、「日本の高水準の技術革新に期待している」と述べた。

 拠点は「グローバルイノベーションセンター(GIC)」で、世界15カ所に設ける方針。起業家らから世界的課題の解決に向けた提案を募り、SDGs(持続可能な開発目標)の実現につなげる。起業家の作業スペースなどを備え、活動資金は大手企業からの寄付でまかなう。

 アジア初の拠点として神戸を選んだ理由について、スヴェンソン氏は「兵庫・神戸の人たちの興味や関心、熱意が高く、地域とGICの相乗効果を出しやすい」と明かした。

 UNOPSは、来年春ごろに解決すべき課題を提示する。内容は未定だが、「気候変動への対応」「社会インフラ整備」などが考えられるという。夏ごろに国内外の15社程度を選び、技術の内容を審査した上で、21年度以降に国連で年5社程度を採用したいとする。

 GICは、起業家らに大手企業などの知的財産を紹介する機能を備える。スヴェンソン氏は「国連機関のニーズは幅広く、アイデアをSDGsにつなげられたら」と話している。(佐伯竜一)