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次世代ロケットの先端部 川重播磨工場で作動試験

2019.12.17
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作動試験で頭頂部から左右に開いたロケットの「フェアリング」=播磨町新島、川崎重工業播磨工場(撮影・秋山亮太)

作動試験で頭頂部から左右に開いたロケットの「フェアリング」=播磨町新島、川崎重工業播磨工場(撮影・秋山亮太)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は17日、開発中の次世代ロケット「H3」の先端に取り付ける衛星格納部「フェアリング」の作動試験を、製造を担う川崎重工業の播磨工場(兵庫県播磨町)で行った。フェアリングが大気圏外で二つに開き、ロケットから分離するまでの動作を確認した。(横田良平)

 H3は運用中のH2Aの後継機に当たり、2020年度の試験機打ち上げを予定する。全長63メートル、直径5・2メートルで、高度3万6千キロの静止軌道に6・5トンの衛星を運ぶ能力がある。打ち上げ費用をH2Aの半分の約50億円に抑えるほか、打ち上げ回数を年間6機程度に増やし、民間商業衛星の利用を見込む。

 フェアリングは、打ち上げ時の衝撃や飛行中の摩擦熱から衛星を守る。H3用は長さ16・4メートルと10・4メートルの2種類を用意し、必要に応じて使い分ける。表面は炭素繊維強化プラスチック製。組み立て時のパネルを従来の20枚から8枚に減らして工程を簡素化するなどのコスト低減を図った。

 この日は長いフェアリングを使用。作動試験でフェアリングを結合するボルトが起爆剤で瞬時に断ち切られた後、ばねの力でフェアリングが頭頂部から左右に開き、ロケットに見立てた土台から分離した。試験は3秒ほどで終了し、順調に推移したという。

 JAXAの岡田匡史プロジェクトマネジャーは「一つの部品が仕上がったという点で大きな前進。実績を積み重ね、20年度中の試験機打ち上げを確実に成し遂げたい」と語った。