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より質の高いコメづくりへ衛星データ活用 神明HD

2019.12.20
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 米穀卸最大手の神明ホールディングス(HD、神戸市中央区)は20日、地球観測衛星データの解析などを手掛ける宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定のベンチャー「天地人」(東京)と業務提携契約を結んだと発表した。衛星が観測した気象情報を基に、コメの栽培適地を探索。農家の協力を得て2020年秋にも収穫し、「宇宙ビッグデータ米」として神明HD系列の飲食店で提供する方針。

 天地人は19年5月、JAXAの職員らが設立した。衛星が観測する温度や気象、地形などのデータを解析し、土地ごとに適した栽培作物を見つけるシステムを開発。7月からはニュージーランドのキウイ販売大手「ゼスプリ・インターナショナル」日本法人と、キウイの国内栽培適地を探すプロジェクトを進める。

 神明HDは、衛星の観測データの解析結果と、同社が持つコメ栽培のデータを組み合わせ、収量増や品質向上が期待できる農地や耕作放棄地を探す。見つけた農地の農家に協力を求めるという。協力を得られた農家には、栽培に適した品種のほか、気象条件に応じた水管理など作業に関する情報も提供。より質の高いコメづくりにつなげる。(山路 進)