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但馬の沖底船“高齢化”深刻 ズワイガニ漁不漁や燃油高騰が影響

2019.12.24
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 冬の但馬の味覚ズワイガニ漁を支える兵庫県但馬地域の沖合底引き網漁船(沖底船)の“高齢化”が深刻だ。同県によると、更新が必要とされる30年を超す沖底船は13隻と全体の3割近くを占める。長く続いた不漁と燃油高騰が経営を圧迫し、新船建造が進まなかったためで、造船所も減少した。ただ近年の漁獲高回復により、補助金を活用するなどした新造船の動きが出始めている。(山路 進)

 県但馬水産事務所(兵庫県香美町)によると、但馬地域の沖底船は1981年に104隻、平均船齢7・4年で全て20年以下だった。だが80年代半ばから同地域のズワイガニの漁獲は下降を続け、91年には299トンとピークの4分の1以下に減った。燃油高騰も重なって廃業も相次ぎ、今年9月には47隻、船齢は平均24・3年になった。

 昨年8月、兵庫県新温泉町の浜坂漁港。真新しい沖底船「幸栄丸」のお披露目に地元は沸いた。浜坂漁協9年ぶりの新造船だった。

 冬のズワイガニ漁は約1週間、その後のホタルイカは約20日間の海上生活が続く。「働きやすい環境を整えないと、若手が定着しない」と幸栄丸の船主で浜坂漁協の川越一男組合長(65)は意義を語る。

 新船は、10人の大部屋だった先代船から2人一組の5室に変更。波をかぶることもある甲板の作業場に屋根や壁を設け、安全性を高めた。燃費は10%アップ、漁獲物冷却庫の性能を上げて商品価値も高めた。

 建造費は約6億5千万円。水産庁の助成金や県の補助金で約3分の1を賄う。川越さんは「船の環境改善が一番の成果。船員の年収は1千万円を確保できている。アピールして若い人に来てもらいたい」と力を込める。

 同漁協と但馬漁協(香美町)は、同庁の助成金を使い計3隻の新造船を計画。2020~23年度の進水を予定する。

 但馬漁協の村瀬晴好組合長(69)は「長い不況で、船の更新は難しかった」と振り返る。不況で近くの造船所も2カ所に減り、5年以上前から計画を立てねばならない。村瀬さんは「船がなくては漁獲できない。計画立てた造船をきっちり進めたい」と力を込めた。