経済
WLBで有休取得、業務効率が6割超改善 推進企業調査
兵庫県内で仕事と暮らしの調和「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」に取り組む事業所に効果を尋ねたところ、「年次有給休暇の取得」「業務効率・生産性」の改善が進んだとの回答が6割以上に上ったことが、ひょうご仕事と生活センター(神戸市中央区)の調査で分かった。求人や業績も4割以上で良い影響がみられたという。
同センターが2019年7~8月、WLBの推進を認定した87カ所から回答を得た。
改善された最多は「年次有給休暇の取得」で73・6%に上った。続いて「業務効率・生産性」60・9%、「超過勤務」55・2%となった。「求人応募」「業績」は42・5%と41・4%で「変化なし」をやや下回ったものの、一定の効果をうかがわせた。一方、人手不足などを反映して「離職率」は24・1%にとどまった。
取り組む上で苦労した点は「業務の属人化や偏りの解消」51・7%、「社員間の意識の違い」47・1%、「WLBへの理解・風土づくり」42・5%が上位を占めた。
センターに対する希望は「他社事例を知りたい」が多かった。今後の課題は、生産性向上の仕組みなど「働き方の見直し」、職場のコミュニケーションなど「組織風土・意識」、病気治療との両立や在宅勤務など「制度整備」、「人材確保」が挙がった。
同センターによると、WLBは従業員のモチベーションを高めるとする見方が広がっている。「仕事の質が高まり、業績に連動する例が増えている。企業の経営戦略として重要度が増している」と話している。(佐伯竜一)