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住まい物件検索、周辺のハザードマップ表示 不動産会社のウィル

2020.01.22
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物件検索サイトを紹介する考案者の室薫さん=宝塚市逆瀬川1

物件検索サイトを紹介する考案者の室薫さん=宝塚市逆瀬川1

物件の周辺エリアのハザードマップが簡単に確認できるウィルの物件検索サイトのイメージ(同社提供)

物件の周辺エリアのハザードマップが簡単に確認できるウィルの物件検索サイトのイメージ(同社提供)

 阪神・淡路大震災から25年の節目に、マンションなどの物件情報に周辺のハザードマップを添付した検索サイトを、不動産会社のウィル(兵庫県宝塚市)が開設した。考案した社員は、かつて取り扱いのあった物件が土砂崩れに遭った経験があり、「防災意識を持った住まい探しが普通になれば」と願う。(中務庸子)

 物件検索サイトのリニューアルに合わせて、デジタルマーケティンググループの室薫さん(52)が企画した。サイトは同社の営業エリアである阪神間、北摂、名古屋の約5千物件を掲載。物件のページを開くと、内外観の写真や間取りの他に、周辺のハザードマップが見られる。

 マップは国土交通省が集約するデータなどを活用しており、タブを切り替えるだけで、土砂災害▽洪水▽津波▽地震-の被害予想を知ることができる。自治体の防災情報ページのリンクを掲載している検索サイトなどはあるが、サイト上で確認できるのは珍しいという。

 室さんは震災翌年の1996年に入社し、長らく営業を担当した。「震災の時はどうだったの?」「耐震性は大丈夫?」などと顧客から聞かれることが多かったが、震災から数年たつと防災面の質問をする顧客はいなくなったという。

 97年には、担当する営業エリアの一戸建て住宅が土砂崩れに巻き込まれ、別の不動産会社を介してその家を購入していた家族4人が亡くなった。少し前に顧客を内覧に案内した物件で「裏山が危ないな」と感じていたこともあり、言葉を失った。

 物件選びの判断材料の一つとして防災項目があるべきではないか-。営業時代に感じた思いを胸に、約2年がかりでサイトを完成させた。物件の成約にはマイナスの情報になる可能性もあるが、室さんは「検索サイトは物件の見た目や外観だけではなく、住んでからの生活を思い描けてこそ意味がある。業界の常識が変われば」と話している。