ひょうご経済プラスTOP 経済 実現なら環境に優しく無限にエネルギー生成 三菱重工業がITERの巨大コイル完成

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実現なら環境に優しく無限にエネルギー生成 三菱重工業がITERの巨大コイル完成

2020.01.30
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開発が進む国際熱核融合実験炉に使われる、世界最大のトロイダル磁場コイル=明石市二見町南二見、三菱重工業神戸造船所二見工場

開発が進む国際熱核融合実験炉に使われる、世界最大のトロイダル磁場コイル=明石市二見町南二見、三菱重工業神戸造船所二見工場

国際熱核融合実験炉に使われる、世界最大のトロイダル磁場コイルの初号機完成を祝った式典=明石市二見町南二見、三菱重工業神戸造船所二見工場

国際熱核融合実験炉に使われる、世界最大のトロイダル磁場コイルの初号機完成を祝った式典=明石市二見町南二見、三菱重工業神戸造船所二見工場

 太陽が放つ光や熱の原理を生かした新エネルギーの開発に向け、日米欧などが南仏で建設を進める国際熱核融合実験炉(ITER=イーター)の中核機器が完成し、30日、三菱重工業神戸造船所二見工場(明石市)で式典があった。ITERは2025年の運転開始に向け、今後組み立てが本格化していくという。(横田良平)

 ITERは、地上で核同士の融合によるエネルギー発生を実証する施設。燃料には海水に含まれる重水素や三重水素を使う。実用化できれば無限にエネルギーを取り出せる利点があり、環境にも優しい。

 機器は参加国が分担製作しており、日本は先端機器を担う。今回完成したのは、核融合に必要な超高温のプラズマを閉じ込めるのに必要な磁場をつくり出す超伝導コイルの一つ「トロイダル磁場(TF)コイル」の初号機。高さ16・5メートル、幅9メートル、重さ約300トンのD字型で、高精度な溶接などの技術が求められた。

 TFコイルは予備1基を含む全19基が日本と欧州でつくられ、三菱重工は国内分9基のうち5基を担う。同工場と神戸造船所(神戸市兵庫区)で構造物の製作や一体化を行ってきた。

 式典には、日本でのITER計画を担う量子科学技術研究開発機構(千葉市)などから関係者が出席。三菱重工の泉沢清次社長は「核融合はエネルギー問題と環境問題を解決できる究極のエネルギー。原子力分野で長年培った技術で貢献したい」と話した。初号機は2月末に神戸港から仏に出荷予定。同工場では21年度までに全5基が完成する見通しという。