経済
企業アスリート引退後の支援を 朝原宣治さんが問題提起 関西財界セミナー
関西経済が直面する課題を議論した関西財界セミナー(関西経済連合会、関西経済同友会主催)は7日、「自由闊達な気風を生かし、万博の成功に全力で取り組み、持続的に発展する社会・経済システムを構築する」との声明を採択し閉幕した。
スポーツ振興がテーマの分科会では、神戸市出身の北京五輪陸上銀メダリスト朝原宣治(のぶはる)さんが「企業のアスリートが選手を辞めた後も社内に残り、活躍できる道筋を考えてほしい」と経営者らに問題提起した。
朝原さんは大阪ガス社員として陸上クラブ「NOBY T&F CLUB」を主宰。五輪などに出場した元トップ選手ら7人と専属コーチ契約を結び、小学生から80代までを指導する。
「経験を積んだ選手たちがセカンドキャリアとして活躍できる場をつくりたかった」と設立の理由を説明。大学や集客施設に派遣したり、学校の体育の授業を請け負ったりと、幅広く活動できる工夫もしている。また、社内野球部OBが出世し、引退後の選手を支える好循環が生まれている同社の現状を報告。スポーツ人材を受け入れる環境づくりについて議論を求めた。
NTT西日本の小林充佳社長は「スポーツ選手は競技の中で瞬時にどう動くか、結果にどう反応するかという洞察力が磨かれている。デジタル社会ではそういった人材が必要だ」と歓迎。スポーツで採用した社員の会社人生全体を支える仕組みづくりにも言及した。(大島光貴)