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シンコ漁終了、過去最短の操業 原因に「シラス」増加

2020.03.07
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水揚げされたイカナゴの状態や、シラスの交じり具合などを見る漁協関係者=2月29日、神戸市垂水区平磯3、垂水漁港(撮影・秋山亮太)

水揚げされたイカナゴの状態や、シラスの交じり具合などを見る漁協関係者=2月29日、神戸市垂水区平磯3、垂水漁港(撮影・秋山亮太)

 イカナゴのシンコ(稚魚)漁は6日終了し、4年連続で不漁だった。休漁日を除くと大阪湾で2日間、播磨灘では5日間と、いずれも過去最短を更新した。兵庫県は不漁の解消に向け、海中の栄養塩の回復に乗り出したばかりだが、今季はシンコに多くの「シラス」(イワシの稚魚)が交ざる異変があった。早春の瀬戸内海にはいないはずのシラスと餌の奪い合いになったことが、もう一つの不漁原因とみられる。(山路 進)

 「また、チリメンや…」

 解禁初日(2月29日)の神戸・垂水漁港。船から下ろされた籠をのぞき込む仲買人たちが肩を落とした。中にはシンコに交じってシラス(チリメン)が目についたからだ。ともに体長は3、4センチほど。遠目では判別しにくいが、銀色で口先が角張るシンコに対し、シラスは透明で頭が丸い。

 シンコ漁が解禁される2月下旬ごろ、瀬戸内海の水温は9度以下と年間で最も低くなる。イワシは暖水を好み、例年は冬に四国南岸に南下して、初夏に瀬戸内へ戻る。だが、今季は11度と高く、多くのシラスがシンコの海域にとどまった。

 実は昨春も瀬戸内の水温は上昇。シラスの北上が早まり、昨季の終漁後に残ったイカナゴと餌の奪い合いが続き、今季はさらに漁期を短縮せざるを得ないほどの不振を極めた。漁業者たちは「春からずっとシラスがおる。こんなん初めてや」と首をかしげた。

 2017年以降の不漁を受け、県は海の栄養塩を増やすため、下水処理場の排水基準を緩和するなどの対策を打つ。それでも、回復には数年以上かかるという。県水産技術センター(明石市)の上席研究員、西川哲也さん(52)は「10年周期だった高水温のサイクルが短期化している。漁期を縮めるとともに、イカナゴに必要な海の栄養を取り戻す地道な対策が不可欠だ」と話した。