ひょうご経済プラスTOP 経済 【ベンチャーを追う】こだわりの世界、ビジネスに 大学生起業家が続々頭角

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【ベンチャーを追う】こだわりの世界、ビジネスに 大学生起業家が続々頭角

2020.03.13
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最優秀賞の村上友哉さん(左から2人目)と企業賞の工藤柊さん(中央)=大阪市北区茶屋町、OIT梅田タワー

最優秀賞の村上友哉さん(左から2人目)と企業賞の工藤柊さん(中央)=大阪市北区茶屋町、OIT梅田タワー

 若手起業家の登竜門「U-25関西ピッチコンテスト」がこのほど大阪・梅田であり、「中古革靴の再生」を売り込んだ兵庫県立大の学生が最優秀となった。肉や牛乳など動物由来の食品を断つ「ヴィーガン」の人向けに、投稿サイトを手掛ける神戸大生も評価を集めた。「第4次ベンチャーブーム」を追い風にする若者たちが、趣味のこだわりや多様な生活スタイルに応えるビジネスを展開する。

 同コンテストは、実績が乏しい若手の資金調達と仲間づくりを助けようと、起業支援施設運営のMJE(大阪市)が年2回催し、3回目。兵庫など2府4県の25歳以下を対象にし、これまでで最多の28人が応募した。書類選考を通過した8人が登壇。約300人に事業計画を語った。

 兵庫県立大経営学部4年の村上友哉(ゆうや)(22)=神戸市東灘区=は2018年8月、株式会社「SHOEBER(シューバー)」を起こした。傷んで使えなくなった革靴を仕入れて再生、販売している。

 「できる実業家は手入れした靴を履く」と聞き、独学で靴磨きや修理の技術を身に付けた村上。神戸市内の高級ホテルの一角で営業するほか、ネットも使い、すでに700足以上を販売した。

 近く、専用の電子商取引(EC)サイトを開設するという。中古服のような市場は革靴にはなく、「新たにつくろうと思った。職人仲間との横のつながりもある。海外に広げたい」と話す。

 神戸大国際人間科学部3年(休学中)の工藤柊(しゅう)(21)は、「ヴィーガン」を実践しやすい社会の実現を掲げる。

 「菜食のベジタリアンを含めると日本人の4・5%が該当するとされる。しかし、自宅でできる料理のレシピや、対応する飲食店が少ないのが悩み」という。昨年7月、植物性100%に特化したレシピの投稿サイトを開設。投稿数約700件、フォロワー数約1万3千人で、今夏には本を出す。

 2人のほかに、スケートボードの技を学べる動画アプリや、男性メークを研究するウェブメディアなどの事業発表があった。

 MJE経営企画室長の柿木原明良(42)は「関西でも公的機関の支援や起業家同士の交流が増え、若者の起業のハードルが下がっているのではないか。来年度以降、兵庫や京都などでも開催できたらいい」と話した。=敬称略=(篠原佳也)

【第4次ベンチャーブーム】ITの進化により個人がアイデアをサービス化しやすくなったことに加え、金融緩和によるマネーの流入が重なり、世界各国でベンチャー企業の設立が相次ぐ。大企業も積極的にベンチャーと連携するのが特徴だ。日本では、製造技術系のベンチャーが登場した1970年代の第1次、株式公開基準緩和の追い風に乗った82~86年の第2次、ネットの時代に入り楽天などが生まれた90年代半ばから2000年ごろの第3次ブームを経験している。