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川重、ボーイング旅客機胴体の生産休止 新型コロナ影響

2020.04.17
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川崎重工業の神戸本社が入るビル=神戸市中央区東川崎町1

川崎重工業の神戸本社が入るビル=神戸市中央区東川崎町1

 川崎重工業(神戸市中央区)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大による米ボーイングの操業休止に伴い、名古屋第1工場(愛知県弥富市)で中型旅客機787の胴体の生産を、20日から5月6日まで休止すると発表した。新型コロナの影響で川重が生産休止に追い込まれるのは、明石工場(明石市)の二輪車に次いで2例目。(長尾亮太)

 ボーイングは、米国のワシントン州とサウスカロライナ州にある2工場で787を組み立てるが、コロナ禍でそれぞれ3月25日、4月8日から操業を休止していた。

 川重はボーイングから出荷停止の申し入れを受け、生産休止を決めた。生産要員約250人は休業扱いとなり、自宅で待機する。休止期間のうち、29日から5月6日はもともと休暇の予定だった。

 川重は787の胴体を分担製造する。軽くて丈夫な炭素繊維の複合材を専用炉で胴体の形状に焼き固め、つなぎ目のない一体構造に仕上げている。これまで千機を超える787の胴体をボーイングに納入してきた。

 三菱重工業も787の複合材主翼をボーイングに納めており、その骨組みの製造は新明和工業(宝塚市)が担う。三菱重工の担当者は、787を含めたボーイング向け製品の生産調整について「検討中だが、正式に決まっていない」としている。一方、SUBARU(スバル)は17日、787の中央翼を生産する愛知県半田市の2工場を一時停止すると発表した。

 ボーイングは2工場のうち、米ワシントン州での操業を20日から再開する方針も示している。サウスカロライナ州の工場と合わせた操業の回復度合いが、日本のサプライヤー(部品の供給企業)の動向にも影響を与えそうだ。