ひょうご経済プラスTOP 経済 山特鋼、10年ぶり赤字 米中摩擦、コロナで 20年3月期連結

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山特鋼、10年ぶり赤字 米中摩擦、コロナで 20年3月期連結

2020.05.01
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神戸新聞NEXT

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 山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)が30日発表した2020年3月期連結決算は、純損益が10年ぶりに赤字となった。米中貿易摩擦などで自動車や産業・建設機械向けの鋼材が落ち込み、新型コロナウイルス感染拡大の影響で操業を停止したインド子会社ののれんを一括償却したため。

 主力の軸受け用鋼材などの在庫調整が需要家で広がり、単体の販売数量は前期比20%減少。インド子会社は現地政府による都市封鎖で3月下旬から操業停止が続いており、収益の回復遅れを織り込んでのれん約13億円を一括償却した。売上高は、昨年3月に買収したスウェーデンのメーカー、オバコが連結業績に寄与し大幅に増加した。

 21年3月期は合理的な見通しを示すのが困難として「未定」とした。八並敬之執行役員はウェブ会見で、「自動車各社が休止を発表しており、需要が一定期間、想定より下がることは覚悟せざるを得ない」と述べた。(大島光貴)