経済
持続化給付金出ても… 中小零細事業者「6月までが限界」
緊急事態宣言が継続する兵庫県内。売上高50%以上減が対象となる国の「持続化給付金」を申請した中小零細事業者は「6月までが限界」と漏らし、経済活動の回復と素早い支援を願う。
姫路市のミシン販売会社は、月平均200万円あった売上高が4月以降、前年の2割に減った。スポーツ用品店や作業服店などに、名前を刺しゅうするミシンを卸す事業。妻と経営する男性(64)は「顧客の8割は県外。兵庫で緊急事態宣言が続き、県境をまたいだ移動も制限されたままだと訪問営業ができない」と肩を落とす。
商品は1台約100万円と高価で、対面で売り込まなければ厳しい。今月1日、持続化給付金の申請初日に申し込んだ。ところが、13日に書類の不備を指摘するメールが届いた。ミシンの仕入れ先に合わせて20日締めにしていた売り上げ台帳を、月末締めに書き直すよう求められた。
「(受給が先延ばしになり)がっかり。資金繰りは来月ぐらいまでが精いっぱい。商売がいつ元に戻るのか分からず、借り入れは怖い」と話した。
三木市で婦人服の仕上げ加工業を営む男性(51)も「新規受注が全くない」と、綱渡りの状況を説明する。アイロンをかけたり、商品のタグをつけたりする仕事をアパレルメーカーから請け負う。百貨店など商業施設の休業で消費が冷え込んだ影響をまともに受けた。4月の売上高は半分以下になった。5月は2割以下に減る見込みという。
「業界は消費税増税や暖冬で厳しかったところに追い打ちをかけられた。持続化給付金で耐えられそうなのは6月末まで。その頃には経済が動いて受注が入ってほしいが、状況が変わらなければ廃業も考えなければならない」
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持続化給付金は法人最大200万円、個人事業主は同100万円。電子申請が原則で、県内では神戸商工会議所(神戸市中央区)内に経済産業省が手続きの支援窓口を設けている。予約制TEL0570・077・866(午前9時~午後6時)
(大島光貴、中村有沙)
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