ひょうご経済プラスTOP 経済 【ベンチャーを追う】コロナ対応スピード重視 駐車場で野菜販売、休業法人の電気代減額…

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【ベンチャーを追う】コロナ対応スピード重視 駐車場で野菜販売、休業法人の電気代減額…

2020.05.30
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民家の駐車場に臨時で設けた野菜売り場=西宮市内(アキッパ提供)

民家の駐車場に臨時で設けた野菜売り場=西宮市内(アキッパ提供)

 新型コロナウイルス感染拡大のさなか、ベンチャー企業は「民家の駐車場での野菜販売で量販店の3密を回避」「休業要請に応じた事業者の電気料金を減額」などのサービスを相次いで打ち出した。各社が強調するのは、困りごとへのスピード対応だ。一方、経営環境は変調し、資金調達のパイプが目詰まりするなどの声も聞かれる。

 駐車場予約アプリのアキッパ(大阪市)は、野菜直売所検索サービスのヤサイバー(同)と連携し、登録する民家の駐車場で野菜の臨時販売を企画した。

 4月30日の兵庫県西宮市のほか、堺市や奈良県天理市など約10カ所以上で実施。広報担当者は「スーパーでの感染防止が課題になっていた。自社ができることがないかを考え、スピード感を持って取り組んだ」とし、次の一手を探す。

 再生可能エネルギー販売を手掛けるみんな電力(東京)は、休業要請に応じた法人顧客の料金を割り引いた。関東圏を中心に飲食店やアパレルの路面店などから約100件の申し込みがあったという。関西出身の社長、大石英司は「商店街の隣同士みたいな感覚でサービスを考えている」と機動力を強調する。

 緊急事態宣言の解除後もテレワークに取り組む企業の社員を対象とする割引を新たに打ち出し、「社会変革に対応しながら再生エネを売る」と話す。

 神戸では、広告仲介のダフトが、休業した飲食店の資金繰りを前払い予約で支援するアプリを新たに開発。社長の的場慎一は「登録店は100を超えた。利用希望者に電子チケットを発行し、計約200万円分が売れた」とする。

 ただ、新型コロナ前までのベンチャーの活況は、逆風に変わった。景気の悪化に加え、経営者らは投資会社などからの資金流入が減ったと口をそろえる。

 みんな電力は事業の成長を目指し、法人営業の強化やシステム高速化へ25億円を調達する計画だが、遅れを余儀なくされた。大石は「冷や水を浴びたような状態。存続が厳しい会社もある」と警鐘を鳴らす。=敬称略=(内田尚典)

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