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県内企業じわり再始動 マイカー通勤などで対応

2020.05.08
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食品売り場の営業を再開した大丸神戸店。屋外でも従業員らがフェースシールドを着用して対応した=7日午後、神戸市中央区、大丸神戸店(撮影・鈴木雅之)

食品売り場の営業を再開した大丸神戸店。屋外でも従業員らがフェースシールドを着用して対応した=7日午後、神戸市中央区、大丸神戸店(撮影・鈴木雅之)

6日を期限とした臨時休業を「当面の間」に変更した神戸国際会館=1日午前、神戸市中央区御幸通8(撮影・中村有沙)

6日を期限とした臨時休業を「当面の間」に変更した神戸国際会館=1日午前、神戸市中央区御幸通8(撮影・中村有沙)

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長初日の7日、兵庫県内の企業が移動制限などの制約下で大型連休明けの業務を再開させた。多くの企業が6日を期限とした在宅勤務を継続する一方、需要減で一時休止していた工場が再操業する動きも。全館休業を解き、食品売り場の営業を始める百貨店もあった。

■百貨店一部再開

 4月8日から全館休業していた大丸神戸店は7日午前11時から、地下1階の食品フロアと同2階の売り場の一部で営業を始めた。当面の間、平日に限って営業する。大丸芦屋店も食品フロアのみ営業を再開した。

 大丸神戸店では開店前にマスク姿の買い物客が列をつくった。1階出入り口には検温用のサーモグラフィーが設置され、従業員が入店する客の体温を調べるなどした。家族3人で訪れた神戸市長田区の男性公務員(40)は「(大丸の休業後)まち全体ががらんとした雰囲気で、阪神・淡路大震災の時を思い出した。百貨店が開いているだけでほっとする」と笑顔を見せた。

■製造業も再稼働

 川崎重工業は7日、明石工場で二輪車の生産を再開した。欧米や国内での需要減を受けて4月13日から休止し、現場の約600人を含む従業員2千人が一時帰休となっていた。7日には関連従業員が業務に戻り、生産ラインも休止前の稼働水準を取り戻したという。

 消防車メーカーのモリタも、年間700台以上を生産する三田工場の操業を約3週間ぶりに再開。約400人が出社したが、電車通勤の約200人のうち、約50人がマイカー通勤に切り替えた。

■在宅、休業続く

 一方、感染防止対策として、多くの企業が在宅勤務などを継続させた。神戸製鋼所や産業用ベルト大手のバンドー化学、タイヤ大手のTOYOTIRE(トーヨータイヤ)は、本社などで在宅勤務を原則とした対応を31日まで続ける。バンドー化学は本社従業員のマイカー通勤も推奨する。

 神戸・三宮の神戸国際会館は6日までとしていた商業店舗などの休業期間を「当面の間」に更新。担当者は「休業要請の対象でない店舗ばかりだが、共用通路などで密になる可能性があるため営業自粛を依頼している。現状では仕方がない」とあきらめ顔だ。

 電子部品メーカーの大真空は7日、新製品の記者発表を初めてウェブ会見で行った。長谷川幸平執行役員は「会見の場に来られない記者にも参加してもらえる。こういうやり方も有効だと感じた」と話した。(まとめ・三島大一郎)

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