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新型コロナの飛沫感染防止へ 中小事業者が新製品

2020.06.26
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強化段ボールの仕切りなどを開発したカワグチマック工業の川口徹社長(左)と佐藤優也ディスプレイ事業部長=尼崎市南初島町

強化段ボールの仕切りなどを開発したカワグチマック工業の川口徹社長(左)と佐藤優也ディスプレイ事業部長=尼崎市南初島町

医療機関向けにアクリルボックス、フェースシールドを製造するコムネットの五十嵐晃治社長=神戸市中央区港島南町7

医療機関向けにアクリルボックス、フェースシールドを製造するコムネットの五十嵐晃治社長=神戸市中央区港島南町7

 新型コロナウイルス禍でも出勤が避けられないオフィス、役所、飲食店、病院-。これらの現場の飛沫(ひまつ)感染防止へ、中小事業者が資材の製作に励む。(大島光貴)

■紙素材で机上用仕切り 耐久5年で処分も簡単

 段ボール・包装資材製造のカワグチマック工業(兵庫県尼崎市)は、オフィス勤務者やサービス業従事者向けに、机の上に置いて飛沫感染を防ぐ紙素材の仕切りを、相次いで開発した。

 4月に開発した強化段ボール製の仕切り「TSUITATE(ツイタテ)」は、高さ50センチが基本。幅は30~120センチから10センチ刻みで選べ、下部には配線を通す穴がある。

 受注生産。輸入材を使い「5年は持つ」という耐久性と、資源ごみとして処分できる手軽さが強み。在阪テレビ局の報道フロアや大手農機メーカーの工場、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターなどで採用され、約1千台が売れた。

 続いて6月、強化段ボールの枠に透明フィルムを張って顔が見える仕切り「フェイスパーテーション」を発売した。尼崎市役所から、コロナ関連の給付金の窓口用に頼まれて製作。飲食店や受付など対面が必要な事業所向けに製品化した。

 枠の段ボールは、7種類のデザインを用意。透明フィルムは、普段は段ボールに図柄を印刷するために使う印判フィルムを転用した。

 同社は、年商約11億円の約1割を展示会などのイベントブース、表示物の受託製作が占める。しかし、2月以降、催しが軒並み中止になって需要が途絶えた。そんな折、段ボールで机を仕切る鳥取県庁の施策を知った川口徹社長(56)が、「1年は必要になる」と事業化を決めた。

 仕切りのほか、紙素材で組み立てた消毒液スタンドも開発し、神戸の幼稚園に納入した。川口社長は「コロナ対策製品の需要が、イベント向けを上回る可能性がある」と話す。

 希望小売価格は「ツイタテ」が3750円(幅90センチ、厚さ8ミリ)など。「フェイス-」は6182円(90センチ四方、厚さ15ミリ)など。消毒液スタンドは形状によって6千円台~2万円台。いずれも税別。同社TEL06・6488・6312

■患者処置用アクリル箱 医療機関に無償提供

 産業用レーザー加工機販売のコムネット(神戸市中央区)は、医師らを飛沫(ひまつ)感染から守ろうと、患者の処置中に使うアクリル製のボックスを医療機関に贈っている。

 アクリルボックスは台湾の医師が考案したもので、医療用ベッドに横たわる患者の頭にかぶせる。両手を入れる穴があり、PCR検査や気管挿管中などに使われる。

 同社は4月、本社に設けている工房の利用会員から、「知人の医師がボックスが手に入らず、困っている」と依頼を受けた。在庫のアクリル板を使い、100個を製作した。医師が患者を診やすいよう、天板の一部に傾斜を付けた。

 自社サイトで無償提供先を募ると、4時間で約270の医療機関から申し込みが殺到した。先着順で締め切ったが、「有料でも欲しい」との声が相次ぎ、追加分の製作を決めた。

 追加分は、レーザー加工機の納入先の中小事業者に製作を依頼し、対価を支払う。無償での提供を続けるため、6月1日からクラウドファンディング(CF)で資金協力を呼び掛けている。60個分、100万円が目標で、それ以上集まれば作れるだけ作る。

 コムネットの五十嵐晃治社長(61)は、「自分や社員の家族が大手術を受けた。命を守る現場のため、できることをしたい」と話す。フェースシールドも製造し、医療機関に約1万3千枚を無償提供した後、自社サイトで有償に切り替えて販売している。

 アクリルボックスのCFは「レディーフォー」で7月16日まで。コムネットTEL078・304・7760