ひょうご経済プラスTOP 経済 GoToトラベル、宿泊施設や旅行会社では…「感染対策は何でも」「運用指針が不明確」

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GoToトラベル、宿泊施設や旅行会社では…「感染対策は何でも」「運用指針が不明確」

2020.07.18
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コロナ禍で需要が高まる露天風呂付きの客室=神戸市北区有馬町、ねぎや陵楓閣

コロナ禍で需要が高まる露天風呂付きの客室=神戸市北区有馬町、ねぎや陵楓閣

 国の観光支援事業「Go To トラベル」の22日開始に向け、兵庫県内の宿泊施設や旅行会社などが準備を急いでいる。各地で感染者数が増える中、旅館やホテルは割引利用の対象として義務付けられる防止策以上の対策を講じる。一方で旅行会社は割引対象から東京都民や若者、高齢者の団体客が除外されたため、商品づくりに向けた情報収集に追われる。

■感染防止策に追われる

 淡路島を中心に16のホテル、旅館を運営するホテルニューアワジ(洲本市)はチェックインカウンターの仕切り板設置や利用者の検温など、割引対象となる感染防止対策をすでに用意。さらに、スマートフォンでレストランや大浴場の混み具合を知らせ、客室などでチェックアウトの手続きができる仕組みも導入した。

 各地で感染拡大が続く局面だが、現時点で宿泊客の解約はほぼないという。木下学社長(51)は「でき得る感染対策は何でもやっていきたい」と力を込める。

 神戸・有馬温泉の旅館「ねぎや陵楓(りょうふう)閣」は、割引対象の対策をしつつ、「3密」を避けるために投資する。他人との接触を抑えたいニーズに応え、露天風呂付きの客室を2室から7室に増やす。増田陽平常務(41)は「安心・安全に宿泊客を迎えるため、さまざまな対策を講じたい」と話す。

 県内の官民でつくる「ひょうご観光本部」は、感染症予防に力を入れる宿泊施設の支援に乗り出した。対策費のうち30万~60万円を助成。県の予防指針に基づく講習を受けた宿泊施設には「ひょうご安心旅」のロゴマークを付与。同本部のサイトなどで公表する。

■運用指針不明確で当惑

 一方、旅行会社は、割引対象から外される高齢者、若者の線引きなど、運用指針の確認に追われた。

 神戸、阪神間に営業所を置く三洋航空サービス(神戸市東灘区)の香山道宣専務(60)は「当初の8月開始が前倒しされた上、運用指針が明確でない部分が多い」と当惑する。

 神姫バスグループ(姫路市)は、ツアーなどの7月の受注数が前年比約8割減。キャンペーンの波及効果に期待し、運用指針を確認した上でツアー商品を投入する。阪急交通社(大阪市)は27日から、対象ツアーを順次販売する予定だ。(三島大一郎、森 信弘、塩津あかね、中村有沙)

■日本遺産認定記念「GoTo伊丹」

 伊丹市は、日本酒文化をテーマにした日本遺産の認定を記念し、市内の宿泊施設の代金などの一部を補助する「Go To伊丹キャンペーン」を実施する。国の「Go To トラベル」事業に合わせた観光支援策で、国と市で計70%を補助する。期間は8月以降から来年3月末とするが、新型コロナウイルスの流行状況や国の動向を踏まえて柔軟に対応する。事業は市長の専決処分で、2020年度7月の補正予算に事業費約1億円を計上した。

 6月には酒造りの文化や地域づくりをテーマにした「『伊丹諸白』と『灘の生一本』 下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷」が日本遺産に認定された。これを機に伊丹市の観光需要を喚起しようと、国の旅行キャンペーンに相乗りする。

 対象の宿泊施設は伊丹シティホテル(同市中央6)とホテル伊丹(同市藤ノ木2)の2カ所で、旅行代理店や予約サイト、施設を通じて販売される。代金の35%を市が補助し、国の補助と合わせて70%の割引になる。日本遺産関連の名所を巡る日帰りのツアーも対象になる予定という。(久保田麻依子)