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コロナ禍でテレワーク拡大 業績と両立、働き方手探り

2020.07.22
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ビデオ会議アプリを駆使し、同僚らと安全具開発の打ち合わせをする基陽の安藤風子さん=神戸市西区(撮影・中西幸大)

ビデオ会議アプリを駆使し、同僚らと安全具開発の打ち合わせをする基陽の安藤風子さん=神戸市西区(撮影・中西幸大)

 新型コロナウイルス感染症対策で広がったテレワーク。仕事の進め方が変容する中、兵庫県内の中小企業が商品の企画や営業で工夫を始め、大手メーカーも人事評価や社員間のコミュニケーションを手探りする。感染の長期化を受け、業績の維持拡大との両立へ知恵を絞る。(大島光貴、中務庸子、長尾亮太)

◇基陽 自宅で商品の企画や商談

 建設現場用の安全具を製造する基陽(三木市)で商品企画を担う安藤風子さん(28)は、5月からテレワークをしている。週3~4日ある在宅日は、午前9時からビデオ会議アプリ「ズーム」を使った打ち合わせをし、仕事に掛かる。

 「新しい金具を試作します」「既存の部品の開発経緯を調べます」。打ち合わせの相手は、安藤さんが主任を務めるデザイン部の同僚2人。約30分で当日取り組む仕事などを確認した後、資料作りに励む。

 打ち合わせは昼と夕方にもある。昼は途中経過の共有、夕方は翌日の仕事内容の調整だ。出勤日は、試作品の実物を前に意見を交わす。テレワークの利点について、安藤さんは「自分の仕事に集中して向き合える。ヒット商品など早く結果を出したい」と意気込む。

 気分転換の合図は、スマートフォンのアラーム。社内で設定されている午前10時、正午、午後3時の休憩開始時に鳴るよう設定し、昼は体操も欠かさない。「長時間労働に陥らないよう、意識して区切りを付けている」と話す。

 同社は、従業員39人のうち、工場勤務者らを除く16人を対象に、在宅勤務を続ける方針。営業部では、ズームを使った「オンライン商談」が可能か、取引先の意向を聞いている。関東の商社や小売店も多いためで、提案方法を検討。これまで営業マン1人につき1日3~4件だった商談件数の倍増を見込み、経費節減にも期待する。

◇住友ゴム 人事評価など透明化検討

 タイヤ大手の住友ゴム工業(神戸市中央区)は、緊急事態宣言下で実施した在宅勤務についてこのほど、神戸と東京本社の部長職を対象に評価を聞いた。

 回答した約80人のうち、67%が「大変良い」「良い」と前向きにとらえた。通勤時間の解消や会議の短縮、家族と過ごす時間の増加など、効果を指摘する人が目立った。来春をめどに新たな働き方の選択肢にできるよう、労使で協議する。

 もともと同社は出社を原則とし、テレワークは例外措置だった。緊急事態宣言の解除後、神戸本社の出社率は50%前後で推移しているといい、当面は出社と在宅を併存させる。

 働き方の多様化や仕事と家庭の両立(ワークライフバランス)へ、政府も定着を目指している。同社の人事担当者は、課題の一つに仕事の評価を挙げ、「働く姿が見えないだけに、個々人の役割や任務をより明確にし、成果をきちっと測れるようにする必要がある」と話した。

◇ノーリツ労組 オンライン懇親会へ補助

 テレワークでは従業員同士のコミュニケーション不足も懸案になる。

 ガス給湯器大手ノーリツ(神戸市中央区)の労働組合は6月、自宅などから参加する「オンライン飲み会」へ補助金を出した。新型コロナで催せなくなった労組主催の新入社員歓迎会やボウリング大会などの予算を充てた。

 4人以上の会を対象に、1人千円まで補助したところ、21組182人が利用した。「同期」「女子会」「以前の職場仲間」などの場がネット上に設けられた。「7月以降も開きたい」など、前向きな声が寄せられたという。

 同社には従来、昼食や仕事帰りの社員同士の会食が対象の補助制度があるが、新型コロナによる外出自粛で十分に活用できない状態。会社としても従業員が孤独にならないよう、交流を促す。