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ワールドが改革加速 主要ブランド終了にファン衝撃

2020.08.05
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主要ブランドの事業終了などを発表したワールドの本社外観=神戸市中央区

主要ブランドの事業終了などを発表したワールドの本社外観=神戸市中央区

 アパレル大手のワールド(神戸市中央区)が5日、主要ブランド終了などの構造改革を打ち出した。ファッション市場の度重なる変化に対応するため、従来からデジタル事業の強化や販売システムの供給などを進めてきた同社。新型コロナウイルスの感染拡大で改革をさらに加速させた格好だ。ただ、知名度の高いブランドも多く、ファンからは惜しむ声も聞かれた。(中務庸子、中村有沙)

 「まさか、無くなるなんて」。最近まで「オゾック」を利用していたという神戸市北区の会社員女性(65)は「ワールドのブランドということで安心感もあっただけにさみしい」と、驚きを隠せない様子で話した。

 オゾックは、同社が業界に先駆けて始めたSPA業態の1号ブランド。1993年、百貨店を皮切りに展開を始めた。SPAは、生産から小売りまでを一貫して管理するため、需要を的確に捉えた効率的な販売が可能になり、同社の急成長を支えた。

 しかし、2000年代に入って、アパレル業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化した。「ユニクロ」などのファストファッションブームや、「メルカリ」に代表される個人間取引に加え、衣類の共有サービスも登場するなど、ワールドは並み居る競争相手への対応に苦慮した。

 同社は15年、不採算の15ブランドの廃止と500店の閉鎖、500人の希望退職募集などの大規模なリストラを発表。同時に、電子商取引(EC)サイト運営受託などのデジタル事業や、販売システムなどを他社に供給するプラットフォーム事業の強化へと大きくかじを切った。

 それでも、アパレル事業の売上高比率は20年3月期で9割超と大半を占める。昨秋の消費税増税に新型コロナの感染拡大が加わり、同事業の経営環境は改善する気配が見えない。知名度のあるブランドでも聖域なく見直すことで、早期に業績を立て直す構えだ。希望退職を含む一連の構造改革で、同社は年間約36億円の経費削減効果を見込む。

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