経済
コロナマスク、多彩に進化中 障害者向けやランニング用開発へ
新型コロナウイルス感染拡大で日常生活に欠かせなくなったマスク。アパレル大手のワールド(神戸市中央区)とスポーツ用品大手のアシックス(同)がそれぞれ、障害がある人向けとランニング専用の製品開発に取り組んでいる。用途を特化し、技術力を生かす。(中務庸子)
■ワールドなど 障害者向け、使い勝手追求
ワールドは、障害者の目線に立った衣料品や接客サービスを提案する有志の団体「コオフク」(東京)の企画に賛同。8月、車いす利用者らとテレビ会議のワークショップを開いた。
約15人が参加。障害者側から、「食事の時に取り外すとなくしやすい」などの声があった。これを受けて同社のデザイナーがラフスケッチを描き、首にぶらさげられるよう後頭部でひもの長さを調整する製品案を示した。
同団体の企画には、アパレル大手の三陽商会(東京)とアダストリア(同)も加わっている。「裏表がわからなくなる」という視覚障害者や、「片手で着脱できれば」という身体障害者の声に応えるマスクなども考え、今秋ごろの製品化を目指すという。
ワールドの担当者は「障害者が使いやすく、健常者にも魅力的に映るようにしたい」と話す。
■アシックス ランニング用、呼吸を楽に
一方、アシックスは、ランニング時に飛沫(ひまつ)の拡散抑制と楽な呼吸を両立する布マスクを、9月中旬に発売する。
鳥のくちばしのように突き出した立体的な形状と、マスク下部に施したメッシュ素材が特長。呼気があごから下に流れるように設計し、飛沫が後方を走る人の顔付近に届きにくくする。また、マスクの内側に空間ができるため呼吸がしやすく、ひもは耳にかけずに後頭部で調整し、密着性を高める。
同社スポーツ工学研究所の技術で呼吸量や飛沫の飛散距離などを分析し、約半年かけて製品化した。1枚3800円。直営店とオンラインショップで1万枚を販売する。アシックスジャパンお客様相談室フリーダイヤル0120・068806
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