ひょうご経済プラスTOP 経済 世界初、トムヤムクンで人気の「オニテナガエビ」を水槽での完全養殖に成功

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世界初、トムヤムクンで人気の「オニテナガエビ」を水槽での完全養殖に成功

2020.09.18
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屋内完全養殖に成功したオニテナガエビ

屋内完全養殖に成功したオニテナガエビ

エビの生育状況ごとに水槽を分けて管理するジオノーツの森田圭一社長=いずれも淡路市岩屋

エビの生育状況ごとに水槽を分けて管理するジオノーツの森田圭一社長=いずれも淡路市岩屋

水槽で育つオニテナガエビの稚エビ

水槽で育つオニテナガエビの稚エビ

 タイでトムヤムクンなどに使われる淡水エビ「オニテナガエビ」の屋内完全養殖に、コンサルティング会社のジオノーツ(神戸市中央区)が成功した。原産地の東南アジアでは河口のいけすで養殖される。水槽では世界初といい、食用を中心に国内需要を開拓する。

 成エビは全長約30センチ。伊勢エビ並みの約60センチまで育つ。タイや台湾で広く食べられる。沖縄地方に生息するが、国内では食用としてほとんど流通していない。

 弾力ある食感と濃厚な味が日本で受け入れられると考え昨年5月、淡路市に屋内養殖場を設けた。人工ふ化で育った成エビに卵を産ませ、再び人工ふ化を行う完全養殖の研究を始めた。

 エビ類で特に人工繁殖が難しく、日本企業や研究機関も養殖に取り組んだが成功していない。ふ化後、1~2センチの稚エビになるまでの約2カ月間に体の形が22回変化し、その度にえさの種類や適性な水質が変わるからだ。稚エビになってからの共食いもある。

 ジオノーツでは、タイの大学で研究した役員を中心に、ふ化後の体に適した温度や塩分、水素イオン指数(pH)などを細かく分析。水を振動させて共食いの原因となるストレスを軽減させるなどの管理法を確立した。卵から成エビに育つ確率を95%まで高めた。

 同社は2018年設立。土を使わずに野菜を育てる水耕栽培のコンサルティングや設備設計などを手掛ける。気候変動や自然災害で水産業が影響を受ける中、食材の安定供給に貢献しようと養殖分野へ進出した。

 副業希望の個人や養殖業者に稚エビを販売する計画で、レジャー会社などから引き合いがある。森田圭一社長は「(出荷サイズに育てる)畜養への参入を増やしたい。市販の水槽で始められる」と話す。水質の遠隔管理などのサービスも提供する。メールアドレスmail@geonotes.net

(中務庸子)