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通路に並ぶ電子看板 AIカメラで効果的な広告発信実験

2020.09.26
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ルクア前に並んだ30面の電子看板。人の視線を感知する=大阪市北区のJR大阪駅

ルクア前に並んだ30面の電子看板。人の視線を感知する=大阪市北区のJR大阪駅

年代や性別を識別できるAIカメラを備えた電子看板=大阪市北区のJR大阪駅

年代や性別を識別できるAIカメラを備えた電子看板=大阪市北区のJR大阪駅

電子看板の脇に設置されているAIカメラ=大阪市北区のJR大阪駅

電子看板の脇に設置されているAIカメラ=大阪市北区のJR大阪駅

収集する個人情報について説明するQRコード=大阪市北区のJR大阪駅

収集する個人情報について説明するQRコード=大阪市北区のJR大阪駅

 JR大阪駅構内のファッションビル「ルクア」前の東西通路に並ぶ30枚の電子看板(デジタルサイネージ)。目を凝らすと、看板の脇から小さなレンズがこちらをのぞいている。このカメラ、人工知能(AI)で見た人の視線を感知する機能を持つ。性別や年代も判別できるカメラも登場し、データに基づいた効果的な広告発信に向けて現在、実証実験が行われている。(前川茂之)

 「日帰り 6800円から」「高知がさらに身近に」。70インチの電子看板の画面は一定時間ごとに一斉に切り替わる。レンズの数は全部で10。設置するJR西日本コミュニケーションズの担当者は「どれだけの人が看板を見ているか。カメラ内のAIが広告に向けられた視線を感知し、集計しています」と説明する。

 実証実験はルクア前など2カ所で6月から始まった。ルクア前の通路は平日なら平均約9万人、休日は約13万人(いずれも2019年調査時点)が行き交う。通行人へのアンケートでは71・2%が広告を見ていると答えたが、AIカメラで詳細な実数データが示せるようになった。

 AIは広告が見られやすい時間帯も分析。ルクア前では、平日なら朝夕の通勤時間帯、休日は昼間の午後2~3時ごろが最も多くの視線が集まることが分かった。同社は「これまでは日数で広告スペースを販売してきたが、時間ごとに料金差をつけて売り出してもいい」と新たな戦略を練る。

 撮影された動画は個人を特定できないようにするため、録画はせずに機械的に統計情報に変換。集計後すぐに消去される仕組みになっているという。看板近くには情報の取り扱いについて説明するQRコードも貼り付けられている。

     ◇     ◇

 開発した「ライブボード」(東京都)によると、同様の取り組みは関東の複数の商業施設などでも進められている。

 大阪駅では8月から新たに中央コンコース北側にある大型ビジョンに、年代や性別を認識できるAIカメラが搭載された。ビジョン前に若い女性が多ければ化粧品メーカーに広告を働き掛けるなど、データに基づいた新たな広告運用を計画する。

 だが、コロナ禍で思わぬ誤算も。ほとんどの人がマスクを着けているため、AIが年代や性別を誤認するケースが続出しているという。JR西日本コミュニケーションズの担当者は「正しい分析のためにも、一日も早くコロナが収束してほしい」と切実に願う。

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