経済
水素船実用化へ実証事業 川重など、中型船建造へ
川崎重工業(神戸市中央区)など国内の5社・団体は1日、水素を燃料とする船舶の実用化に向けた実証事業を今月から始める、と発表した。中型船を推進させられる燃料電池を搭載した船の開発や、水素燃料の供給を伴う実証運航は国内初の取り組みという。
船が排出する二酸化炭素(CO2)は世界全体で年間8億トンに上るとされ、水素で進む船の実用化により、温室効果ガス排出量の削減を目指す。
参加企業・団体は川重のほか、日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、日本海事協会、ENEOS(エネオス)。約100人の旅客が乗れる150トン級の中型観光船を建造するとともに、港湾の陸側に水素燃料供給システムを設置して、2024年度に横浜港沿岸で実証運航する。
このうち川重は、液体水素を貯蔵タンクから燃料電池に供給する船内システムなどを担当する。川重の担当者は「限られた空間にタンクなどの機器を配置する必要があり、安全確保に取り組みたい」と話している。(長尾亮太)