経済
牛革に漆塗り 国内唯一のメーカーが初の自社企画品
牛革に漆塗りを施した「黒桟革」を国内で唯一、原皮から一貫生産する皮革メーカーの坂本商店(兵庫県姫路市)が、初の自社企画製品となるボディーバッグの販売を目指している。剣道の防具が主な用途で、ほとんど一般に流通していないという素材。高級感あふれる独特の風合いを武器に、市場開拓を狙う。
黒桟革は、革の凸部分だけに漆を重ねて塗る。光が乱反射してキラキラと輝いて見えることから「革の黒ダイヤ」とも呼ばれる。戦国時代に武将のよろいかぶとに使われ、現在は剣道の師範クラスが使用する「胴胸」などの装飾用。剣道人口が減少して需要が減っている。
坂本商店の3代目、坂本弘さん(64)は、黒桟革を原皮から一貫生産できる国内唯一の職人。10年前からファッション業界に売り込むなど、販路を模索してきた。昨夏、次男の悠さん(28)が神戸の商社を辞め、後継として戻ってきたことをきっかけに、自社企画製品に挑戦することにした。
ボディーバッグは、悠さんが製造会社と打ち合わせをしながら試作した。素材メーカーの強みを生かし、かばん全体に黒桟革をぜいたくに使う。革の魅力や高級感が伝わるようシンプルなデザインにし、ファスナーや内側の生地にもこだわっている。
商品は複数の型を用意し、価格は8万円程度になる見込み。茶色、藍色も出す予定。10月中旬からクラウドファンディングサイト「マクアケ」で販売する。兵庫県中小企業団体中央会(神戸市中央区)が支援し、サイトに掲載する商品紹介の文章や写真などを、専門のライターやディレクターが手がける。作り手の思いをわかりやすく伝えるという。
悠さんは「戦国時代のよろいかぶとのように、持つ人の品格を上げる商品を目指した」。弘さんは「若い世代のアイデアを生かし、市場を広げたい」と話している。(中務庸子)
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