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手術支援ロボ、国産化実現で神戸に新拠点 雇用創出にも期待

2020.10.01
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アームの先に付けた手術器具と内視鏡を患者の腹に開けた穴へ差し込んで行うヒノトリによる手術のイメージ(メディカロイド提供)

アームの先に付けた手術器具と内視鏡を患者の腹に開けた穴へ差し込んで行うヒノトリによる手術のイメージ(メディカロイド提供)

神戸新聞NEXT

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 川崎重工業とシスメックスが共同開発した手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」が、11月にも販売される。米国の独壇場だった市場に、日本勢が初めて実機を投入することになった。医療機器の輸入超過額が年間1兆円に上る中、「メード・イン・ジャパン」の支援ロボは出色の存在といえる。

 日本では医療機器の輸入が輸出を上回る「輸入超過」の状態が続いている。超過額は増加傾向がみられ、2000年代初めに年間4千億円台だったが、17年には過去最大の1兆302億円に上った。

 経済産業省の研究会などによると、医療機器の国内市場で6割を占める「治療機器」について、国内企業の競争力が米欧に劣っていることが、輸入超過につながっている。日本企業は治療機器が人体に与えるリスクに過敏となり、そもそも取り扱わない傾向があるという。

 神戸・ポートアイランドの医療産業都市は阪神・淡路大震災の後、医療機器工場の誘致を念頭に置いて構想が始まったが、これまではものづくりでの展開があまり進まなかった。同都市に本社を置くメディカロイドは、手術支援ロボットの新たな工場を神戸市内に設ける計画を立てている。

 開発に協力した藤澤正人・神大大学院医学研究科長は「今まで海外から買っていた機器を地元で造ることにより、新たな仕事が生まれて地域の活性化につながれば」と期待を寄せている。(長尾亮太)

【手術支援ロボット】執刀医の手の動きを再現し、内視鏡手術を助けるロボット。国内では2012年の前立腺がん手術を端緒に保険適用の種類が増え、支援ロボ市場の急拡大が見込まれる。メディカロイドのヒノトリはまず泌尿器科の手術で使われ、婦人科や消化器科、呼吸器科にも広げたい考えだ。同社は海外販売に向けて米国と欧州に現地法人を設け、アジア市場での販売にも力を入れる方針。