経済
のり、ラーメン、塩昆布… 兵庫の加工食品6社、海外でテスト販売
兵庫県内の中小食品メーカーが、海外で商品をテスト販売することになった。農林水産省と日本貿易振興機構(ジェトロ)の輸出促進事業の一環。海外の市場で、兵庫の加工食品が受け入れられるかが試される。(塩津あかね)
各国の首都や主要都市の消費者、バイヤーの意見をメーカー側に伝え、海外向けの商品開発につなげる。まずフランス、米国、タイ向けの輸出を支援する。
全国から383社・767商品の応募があった。このうち支援対象に選ばれたのは、フランス向けが42社52品、米国は40社50品、タイは18社25品。兵庫から6社が選ばれ、都道府県別では東京の7社に次いで多い。近くベトナムへの商品も選定される。
フランス向けは、東亜食品工業(姫路市)の「米粉うどん」▽寺尾製粉所(同)の「国産もち麦パンケーキミックス」▽浪花昆布(神戸市東灘区)の「無添加お茶漬け塩昆布」▽のり加工会社、光海(佐用町)の「旨(うま)しお海苔」-の4品。
米国ロサンゼルス向けには、植物由来のプロテインを販売するソライナ(神戸市中央区)の「えんどう豆ミートで作ったキーマカレー」と、東亜食品工業の「ラーメン」などが選ばれた。タイへは水産物加工販売会社、播磨灘(姫路市)の冷凍カキが選ばれている。
小麦粉を一切使わない「グルテンフリー」の麺を販売する東亜食品は昨年から4カ国に輸出を始め、今年はアラブ首長国連邦(UAE)へも輸出を始めた。井上位一郎(いいちろう)社長(57)は「欧米で受け入れられやすいグルテンフリー商品で日本の麺を知ってもらい、小麦を使った麺にも目を向けてほしい」と話す。
海外市場を新規開拓するため、各社とも商品に工夫を凝らす。寺尾製粉所は、食物繊維の豊富な兵庫・福崎産のもち麦をパンケーキミックスに配合し、焼き上げたパンケーキをきな粉、あんを一緒に添えた食べ方を提案。浪花昆布は、サラダなどにかける調味料の代わりに使うことを勧める。光海はパックの中身が見えないと買いにくいと審査員に指摘され、販売時に透明の袋に入れた5枚入りの試供品を店頭で配ることにした。
いずれも10~12月に仏米の食料品店やスーパーなどで販売し、11月から来年1月にタイとベトナムで販売する。好評であれば、来春以降も各国で取引が継続されるという。