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新型コロナへの効果確認 神戸発のオゾン利用除菌剤

2020.10.29
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官公庁向けに約1万本を納入した除菌剤「アルタント」

官公庁向けに約1万本を納入した除菌剤「アルタント」

神戸市ものづくり工場内の製造設備=神戸市兵庫区和田山通1(E・テック提供)

神戸市ものづくり工場内の製造設備=神戸市兵庫区和田山通1(E・テック提供)

E・テックの吉田英一社長=神戸市中央区港島

E・テックの吉田英一社長=神戸市中央区港島

 歯科用消毒器メーカーのE・テック(神戸市中央区)は、オゾンを利用した除菌剤「アルタント」で、新型コロナウイルスの感染力をなくす「不活化」効果を立証した。アルコールよりも強力な殺菌力と安全性が評価され、東京消防庁などの官公庁向けに約1万本を納入、10月から自社サイトで販売を始めた。アデノウイルスでも効果を確認。神戸発の除菌剤をコロナ禍の社会に役立てる。(高見雄樹)

 アルタントは、強い酸化力で殺菌作用があるオゾンをアルコールに溶かした除菌剤。すぐに酸素になるオゾンを安定した状態に保つのは難しいが、アルコールに閉じ込める際の温度やタイミングなどの特殊技術を同社が開発。日米欧で特許を取得した。

 今夏には帯広畜産大と共同研究を実施。一定の条件下で20秒間反応させると、99・99%の新型コロナウイルスが不活化した。

 歯科医師の吉田英一社長(68)は、古くから知られるオゾンの殺菌力で歯科用機器を消毒しようと起業した。用途を身近な感染症にも広げるためスプレータイプの開発に着手。公的機関との研究にも取り組み、エビデンス(科学的根拠)を積み上げてきた。

 2018年に国立感染症研究所と共同研究を開始。今年4月、同研究所の花岡希(のぞむ)主任研究官が感染力の強いアデノウイルスの不活化を論文で報告した。7月には北海道大と豚熱(ぶたねつ)(CSF)ウイルスの不活化も立証している。

 効果が明らかになるにつれて納入実績も増加。東京消防庁には年内に2200本の納入が決まった。拘置所や警察など官公庁向けも堅調だという。神戸市兵庫区の賃貸工場「神戸市ものづくり工場」内に製造設備を置き、21年度は約10万本の販売を目指す。

 年内にはノンアルコールタイプの「イソタント」も発売する。航空機の窓やパソコンのモニターなど、アルコールで劣化しやすい部分への需要拡大を見込む。

 吉田社長は「特有の臭いを減らすよう改善を進め、農産物の害虫対策などにも用途を広げたい」と話す。

 200ミリリットル入り(約650プッシュ)3200円、70ミリリットル(約220プッシュ)は1700円。いずれも税別。11月2日には兵庫県に420本を寄贈する。

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