ひょうご経済プラスTOP 経済 神戸空港、遠い1日80便 コロナ禍で続く減便運休

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神戸空港、遠い1日80便 コロナ禍で続く減便運休

2020.10.05
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減便・運休が続く神戸空港。発着枠の最大運用は来春まで持ち越される公算が大きくなっている=神戸市中央区

減便・運休が続く神戸空港。発着枠の最大運用は来春まで持ち越される公算が大きくなっている=神戸市中央区

減便・運休が続く神戸空港。発着枠の最大運用は来春まで持ち越される公算が大きくなっている=神戸市中央区

減便・運休が続く神戸空港。発着枠の最大運用は来春まで持ち越される公算が大きくなっている=神戸市中央区

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 神戸空港の運用規制緩和で合意した1日80便の運航が、少なくとも来春まで持ち越される見通しとなった。新型コロナウイルスの影響で激減した旅客の回復が鈍いからだ。夏ダイヤ(3月29日~10月24日)の開始前に発着枠の満杯が決まっていたが、冬ダイヤから夏ダイヤへの移行時に拡大したコロナ禍で、航空各社の減便・運休が続出。冬ダイヤ(10月25日~2021年3月27日)でも発着枠は埋まらず、実現には大幅な需要の回復が前提となる。(横田良平)

 発着枠の拡大は、19年5月の関西3空港懇談会で合意された。06年2月の神戸空港開港以来初の規制緩和で、これまでの1日60便から80便に拡大されたほか、運用時間も午後11時まで1時間延長された。規制緩和を受けて、スカイマーク(SKY)が増便、新興航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA)が新規就航し、4路線を開設した。

 今年の夏ダイヤでは、SKYの羽田線などの増便やFDAの青森線開設などで同80便の枠が埋まることが決まった。だが、夏ダイヤへの移行と前後してコロナ感染が全国に広がり、各社は3月中旬ごろから減便・運休を開始。緊急事態宣言が発令された4~5月は同12便まで運航が落ち込んだ。

 8月のお盆期間には最大76便まで回復したが、路線の減便や運休は続いたまま。航空各社の計画では、10月も40便台で推移する見通しで、80便の運航は一度も実現していない。

 冬ダイヤでは、SKYが神戸-下地島(沖縄県)線を新設する一方、夏ダイヤに比べて那覇線などを減らす。航空各社の運航計画で、1日の発着は最大72便だが、10月中はダイヤ移行後も40便台が中心になる見通しだ。

 国土交通省によると、発着枠に空きがあれば需要動向に応じた航空各社の増便申請は随時可能。だがコロナ禍で、今年の夏ダイヤの増便申請は9月の4連休中などごく一部にとどまったという。担当者は「感染の収束が見通せず、冬ダイヤでも、基本的には当初の運航計画から減らす流れになるのでは」と話す。

 神戸空港に就航する航空会社の関係者は「増便したい気持ちはあっても、現状では需要が見込まれない。採算割れが分かっている便を増やす判断は難しい」としている。

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