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播磨で新たな衛生材料を生産 新型コロナで需要増

2020.10.23
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日本触媒が新たに開発した高吸水性樹脂(同社提供)

日本触媒が新たに開発した高吸水性樹脂(同社提供)

マンダムが開発した除菌スプレー(同社提供)

マンダムが開発した除菌スプレー(同社提供)

 在阪の化学系メーカーが播磨地区に構える工場で、新たな衛生材料の生産に乗り出す。今後も市場拡大が見込まれる紙おむつ用の高機能樹脂を量産するほか、新型コロナウイルスの感染拡大による需要増に対応して除菌製品を投入する。(塩津あかね、中務庸子)

■日本触媒 紙おむつ用の高吸水性樹脂

 日本触媒(大阪市)は、吸水力などを大幅に高めた高吸水性樹脂(SAP)を開発し、来夏に姫路製造所(兵庫県姫路市)で量産を開始する。大人用紙おむつのほか、ペット用や工業製品への需要も見込む。

 新しい製造方法を開発したことで、従来のSAPから吸水速度を1・5倍に向上。体を動かしても吸収した尿を漏らさない「液保持性」も3倍に引き上げた。乳幼児向けに比べて、大人向けの紙おむつや尿失禁パッドなどは、高い速乾性や液保持性が求められるという。

 現在、同製造所内で年間1万5千トンをつくるプラントを建設しており、来年6月に生産と販売を始める。大人用の衛生材料だけでなく、ペット用のおむつや、建設・工事現場などで水の浸入を防ぐ「止水材」などの用途を開拓する。

■マンダム コロナ禍受け除菌スプレー

 男性用化粧品大手のマンダム(大阪市)は、コロナ禍を受けて除菌市場に本格参入する。菌やウイルスに効果がある「MA-T(要時生成型亜塩素酸イオン水溶液)」を配合した除菌スプレーを開発した。これまで男性が中心だった顧客層を拡大させる。国内唯一の製造拠点である福崎工場(兵庫県福崎町)で生産を始め、11月上旬に発売する。

 MA-Tは、ウイルスや菌がある場合のみ、有効成分を生成して除去しようとする。このため、アルコールや塩素系の除菌剤に比べて効果が長時間持続するという。大阪大の研究では、新型コロナでも消毒効果が認められた。航空会社やホテルなどで使われるが、一般向けの製品はあまり流通していない。

 マンダムのスプレー「MA-T Pure」は机、衣類などの除菌用。事前に吹きかけても効果があるという。170ミリリットル入り1320円、360ミリリットル入り2200円。全国のドラッグストアやスーパーで販売する。同社お客さま相談室フリーダイヤル0120・373337