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兵庫県、スマート農業推進へ 農林水産の新指針素案

2020.11.03
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 兵庫県内の農山漁村を活性化する鍵は、ITなどの先端技術を応用したスマート農業▽高齢者や非農家など地域の多様な人材を生かす「地域協業体制」▽農業に障害者らを労働力として受け入れる「農福連携」-。県農林水産政策審議会(会長=内田一徳神戸大名誉教授)は2日、2021年度から10年間の農林水産政策指針「ひょうご農林水産ビジョン2030」の素案をまとめた。

 新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた「ポストコロナ」社会に向け、電子商取引(EC)サイトの活用支援による販売力の強化も盛り込む。高齢化や人手不足が課題となっている県内農林水産業の持続的発展を目指す。

 県は01年に初めて10年指針を定め、5年ごとに見直してきた。同審議会は19年3月から新指針を議論してきた。

 素案では、現行ビジョンで掲げる「都市近郊の立地を活(い)かした力強い農林水産業の展開」の考え方を踏襲した上で、人口減や高齢化の進展で脆弱(ぜいじゃく)化する産業構造の強化が重要とする。1次産業を地域の基幹産業に育て、雇用や経済を支える必要性を強調。担い手の経営力強化に加え、高齢者や非農家など地域の多様な人材を生かす「地域協業体制」の確立を掲げる。

 農業、畜産業、林業、水産業別に30年時点の経営形態や規模のモデルも示し、経営者の年間所得目標は600万~1千万円とする。

 活性化の具体策には、新たな視点も盛り込む。スマート農林水産業による省力化や高品質化▽窒素など適正な栄養塩管理による漁業資源が豊かな海の再生▽農業に障害者らを労働力として受け入れる「農福連携」による暮らしの充実-など6項目。施策の成果を検証するため、56通りの指標も示す。

 同日、神戸市内で開いた総会では、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)との関係性を示す必要性があるなどの指摘が出た。県は、素案について11月19日から意見公募(パブリックコメント)を実施。県議会を経て、来年3月の策定を目指す。(山路 進)