経済
神戸製鋼所、鋼材などの需要減少で最終赤字152億900万円 20年9月中間連結決算
神戸製鋼所(神戸市中央区)は5日、2021年3月期の連結業績予想を上方修正し、純損失が150億円(前期は680億円)にとどまりそうだと発表した。8月予想から赤字幅が200億円縮小する見通し。新型コロナウイルス禍による自動車の減産で落ち込んだ鋼材などの需要が、想定よりも早く回復すると見込んだ。(大島光貴)
売上高は8月予想比0・6%増の1兆6500億円とし、営業損失は150億円(8月予想は350億円)を、経常損失は350億円(同600億円)をそれぞれ予想した。
神鋼は、日系自動車メーカーの生産台数が7~9月に前年同期比15%減に、10~12月は同10%減にとどまると想定。いずれも8月予想から減少率が半減する見通しだ。これに伴い、鉄鋼事業の経常損失は8月予想から245億円改善して425億円となり、設備稼働率も上期の7割から下期は9割まで回復するという。
新型コロナの影響額は経常損益ベースで840億円と、8月予想から60億円減ると予想。鉄鋼事業で115億円改善するものの、航空機向けのチタンや、造船に使われる鋳鍛鋼などの販売減が影響するという。
同日、オンラインで会見した勝川四志彦取締役は、旅費交通費の抑制や一時帰休の範囲拡大、残業代カットに取り組むことで、50億円を追加削減することを明らかにした。
同日発表した20年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比17・8%減の7764億600万円だった。純損失は152億900万円と、米中貿易摩擦の影響があった前年同期(62億8100万円)に比べて赤字幅が拡大した。中間ベースの最終赤字は2年連続。中間配当は見送り、年間配当は引き続き「未定」とした。




















