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出張居酒屋や1人用鍋…忘年会シーズンの飲食店「苦肉の策」

2020.11.27
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情熱ダイニングが用意した11種類の一人鍋。一人ずつ好みの鍋を選ぶことができる=八百屋農園

情熱ダイニングが用意した11種類の一人鍋。一人ずつ好みの鍋を選ぶことができる=八百屋農園

間隔を広げ、仕切りを置いたカウンター席=神戸市中央区、土佐清水ワールド雲井通本店

間隔を広げ、仕切りを置いたカウンター席=神戸市中央区、土佐清水ワールド雲井通本店

感染対策で1人ずつ選べる11種類の鍋=神戸市中央区、八百屋農園

感染対策で1人ずつ選べる11種類の鍋=神戸市中央区、八百屋農園

 新型コロナウイルスの感染再拡大が忘年会シーズンと重なり、例年なら稼ぎ時の飲食店が営業継続のため苦肉の策を講じている。兵庫県は国の支援事業「Go To イート」について、プレミアム付き食事券の新規申し込みを停止。企業にも職場の宴会を控える自粛ムードが漂う。苦境に立たされる飲食店にとって、感染防止と営業継続の両立を手探りする師走に入る。

 県は24日、新型コロナの感染者急増を受けて、新規のプレミアム付き食事券の申し込み停止を決定。ただ、4人以下単位の飲食は容認し、大阪市などのような飲食店への営業時間短縮の要請は見送った。

 対策を模索する居酒屋チェーンのワールド・ワン(神戸市中央区)は、大皿料理を個別の盛り付けに切り替えるなどのメニュー見直しに加え、「出張居酒屋サービス」を試行した。

 繁華街を避ける人向けに、オフィスや貸し会議室などへ料理や生ビールサーバーを持ち込む。既に神戸市内で利用があり「居酒屋の雰囲気を味わえた」と好評だったという。同社によると、感染拡大や「イート」の停止を受けて少人数での予約もキャンセルが出始めたという。

 創作料理の情熱ダイニング(同)では、展開する店の一つ「八百屋農園」(同)で、グループ利用でも一人一人が別々の鍋を選べるコースを始めた。ちゃんこ鍋やすき焼き鍋など11種類の鍋料理が売り物で、3~4人前が基本だったが、感染を気にする予約客の声に対応した。

 例年、12月は年間の利益の8~9割に上り、11月中旬には年末までの週末の予約が埋まっていた。今年の予約は2割を切っており、池原晃喜社長(53)は「予約がほぼなくなる事態も想定している」と覚悟する。

 一方、利用者側には自粛ムードが広がる。神戸市内の企業で働く40代男性は、12月に予定していた忘年会をキャンセルした。「飲食店を応援したいが繁華街に行きにくい。少し収まってから感染対策をした店を利用したい」と話す。

 東京商工リサーチが11月に実施した企業アンケート(有効回答1万59社)では、忘年会や新年会を「開催しない予定」との回答が87・8%(8840社)に上った。

 タイヤ大手のTOYOTIRE(トーヨータイヤ、伊丹市)は、5人以上の会食を控えるよう社内に通達。神戸製鋼所(神戸市中央区)も、社員同士の懇親会は4人以下、社外とは原則として延期か中止するよう求めている。(三島大一郎、大島光貴)