経済
正月は自宅で豪華に…おせち予約好調 迎春料理の宅配サービスも
兵庫県内の百貨店やスーパーで、新春の食卓を彩るおせち料理の予約が好調だ。5万円以上する詰め合わせもよく売れているといい、新型コロナウイルスの感染拡大で旅行や帰省を控える代わりに、せめて食事は充実させたいとの消費者の思いが透けて見える。総菜メーカーも、迎春用の本格料理を宅配するサービスに力を入れる。(三島大一郎、中村有沙)
「昨年よりも前倒しで予約注文が入っている」。生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)の担当者によると、10月のおせちの予約受け付けは、宅配が前年比約3割増、店舗での受け取りが約5割増となった。
売れ筋は、2万円前後の3段重。今年は特に1人用や1段重が人気で、予約が前年の4倍を超える商品もある。担当者は「帰省を控え、少人数で正月を過ごそうと考える人が増えているのだろう」と話す。
大丸神戸店(同市中央区)でも、10月のおせちの店頭予約が前年比約13%増に。オンライン受け付けは、大丸松坂屋百貨店全体で約5割増だった。商品別では、料亭と連携した5万円超の高価格商品も好調という。
神戸店の担当者は「海外旅行に行けないので、せめて国内で豪華な食事を楽しみたいと考える人が多いのでは」とする。
総菜大手のロック・フィールド(神戸市東灘区)は今年から、同社が展開する「RF1」など4ブランドの迎春用5商品の宅配予約を受け付けている。年内に指定の住所に届ける。迎春商品は昨年まで、店舗受け取りのみだった。
自宅では調理しづらい料理を味わってもらおうと企画した。2~3人前4801円(税込み)から。4~5人前3万2400円の商品は、サラダや和牛のローストビーフ、マダイのアクアパッツァなどで、温めるだけで食べられる。
予約件数の目標は昨年の3倍。担当者は「外出しづらい年末年始となりそう。自宅で有意義に過ごす手伝いができれば」と話す。予約はインターネットの他、店頭でも受け付ける。