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コロナ禍の正月、食でぜいたくを 高級おせち人気

2020.12.09
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神戸ポートピアホテルの「和洋中個食おせち料理2段」。2段を1人ずつ分ける。内容はあなごの八幡巻き、合鴨スモーク、豚の角煮など

神戸ポートピアホテルの「和洋中個食おせち料理2段」。2段を1人ずつ分ける。内容はあなごの八幡巻き、合鴨スモーク、豚の角煮など

料亭「神戸吉兆」の「和風おせち料理三段重」

料亭「神戸吉兆」の「和風おせち料理三段重」

北京料理「第一樓」の中華おせちの大皿。新春を豪華に彩る

北京料理「第一樓」の中華おせちの大皿。新春を豪華に彩る

 新型コロナウイルスの「第3波」の中で迎えることとなりそうな2021年の新春。おめでたい正月を彩る「おせち料理」を巡る状況も、いつもとは少し違うようだ。年末年始の帰省や海外旅行をあきらめる代わりに、「食」でぜいたくを、という人が増えたのか、この冬は「高級おせち」への注目度も高いという。ホテルや料亭などの自慢の逸品を紹介する。(堀井正純)

 10月半ばから予約受付を始めた神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)。黒毛和牛のローストビーフや国産あわび、伊勢エビなど、ぜいたくな食材を盛り込んだ「プレミアム和洋中おせち料理2段」(3人用、3万4560円)をはじめ8種類を用意した。監修した岸本貴彦・総料理長は「和・洋・中、それぞれの料理人がこだわりの食材で腕をふるった」と胸を張る。

 「全体で、例年より予約は4割増し」とスタッフの中村佑帆さん。とりわけ、1・5倍に注文が急増したのが「和洋中個食おせち料理2段」(2人用、1万8360円)だ。取り分けないですむよう1人分を一つのお重に詰めてあり、感染予防にもなる。ライフスタイルの変化に合わせ、数年前から加えたメニューだが、今冬はウィズ・コロナ時代で注目されたのだろう。予約は22日まで。同ホテルTEL078・302・1680

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 料亭「神戸吉兆」が届けるのは、厳選した食材を、職人が手間ひまかけて仕上げた「和風おせち料理三段重」(5~6人用、12万9600円)。和牛じぶ煮、からすみ金箔、あわびのやわらか煮、まながつおのみそ漬け、鯛生寿司など彩り豊かな45品で、祝いの席を盛り上げる。

 フォアグラのパテと赤ワインのゼリーを、くりぬいたユズの中に入れたフォアグラゼリーは、「吉兆」創業者・湯木貞一(神戸市出身)の時代からの人気料理だ。「三つ肴」と呼ばれる「黒豆」「田作り」「数の子」も一味違う。

 伝統ある老舗の味だけに高額だが、若女将・平野晴子さんによれば、予約は2割ほど多く好調という。おせちは二段重、一段もある。予約は百貨店などでも受け付けている。

 「子どもさんのご家庭へ贈られる親御さんもおられるようです」と平野さん。感染予防で帰省せず、実家の両親へおせちをプレゼントする人もいるに違いない。

 神戸吉兆BBプラザ店(神戸市灘区)TEL078・805・6008

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 豪勢な中華のおせちも人気だ。北京料理の老舗「第一樓」(神戸市中央区)は正月料理として4コースを取りそろえる。「新鮮な海の幸などをふんだんに使った店の味を楽しんでもらえれば。予約は順調で、2割増しくらい。12月下旬に向け、さらに増えてくるはず」と取締役の白崎大介さん。

 一番人気は、6~8人向けの3万2400円の料理。大皿に伊勢エビや煮込みあわび、ピータン、酢豚など13品。まながつおの揚げ物とクラゲが別の折で付く。予約は29日まで。第一樓TEL078・331・0031