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兵庫県産ノリ今季初入札 コロナで厳しいスタート

2020.12.15
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ノリを品定めする商社の担当者=播磨町古宮

ノリを品定めする商社の担当者=播磨町古宮

 全国屈指の出荷量を誇る兵庫県産ノリの今シーズン初となる入札(共販)が14日、県漁連のり流通センター(同県播磨町古宮)であった。東・西播磨地域の6漁協から例年並みの計約2900万枚が出品されたが、新型コロナウイルスの影響で1枚当たりの平均単価は前年同時期比23%の値下がりと厳しいスタートとなった。

 この日は全国33のノリ商社の買い付け人が来場。等級別に分けて並べられた各漁協のノリの見本を、手に取ったり、あぶったノリの焼き色を見たりしながら風味や色つやを確認した。

 1枚当たりの最高値は網干協業(同県姫路市)の13・99円。全体の平均は10・59円だった。昨年同時期の平均13・76円を3円以上、下回った。

 同センターによると、新型コロナ禍で飲食業界などの需要が減少。秋口からの好天続きでプランクトンが増殖し、海中の栄養分が減ってノリに色落ちが起こるなど品質面でも価格の下落につながったとみられるという。

 今シーズンは新型コロナ感染予防のため、買い付け人が品質をチェックする機会を入札前日にも設け、混雑を緩和。来場が難しい商社向けにオンライン入札システムを導入したが、初回での利用はなかった。

 共販は来年5月まで計14回を予定。県漁連の藤澤憲二部長(58)は「これから水温が下がってノリが良くなることに期待したい」と話した。(長沢伸一)