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エム・シーシー食品、神戸に新工場建設 内食需要の増大に対応

2021.01.29
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神戸・ポートアイランドに建設する新工場のイメージ(エム・シーシー食品提供)

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神戸新聞NEXT

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 エム・シーシー食品(神戸市東灘区)は29日、神戸・ポートアイランドに新工場を建設すると発表した。主力のレトルト食品や冷凍ソースなどを増産する予定で、近年の個食化や新型コロナウイルス禍による内食需要の増大に対応する。2022年初頭の稼働を目指す。(中村有沙)

 同社は、原材料の下処理などを担う住吉工場(同)と、完成品に仕上げる甲南工場(同)、神戸工場(同市長田区)の三つの生産拠点を持つ。工場の新設は、他社の既存建屋を取得・転用して1987年に操業を始めた住吉工場以来35年ぶり。自社物件では、71年に完成した甲南工場以来51年ぶりとなる。

 新工場の名称は「ポートアイランド工場」。神戸市から18年に取得した約1万4千平方メートルの敷地に、一部2階建ての工場棟(延べ床面積は約6500平方メートル)を建設する。業務用と家庭用のパスタソース、カレー、スープなどのレトルト食品や、業務用の冷凍ソースなどを手掛け、これらの生産能力を1・3倍に引き上げる。総投資額は土地代を含め約40億円の見込み。

 同社は飲食店などに販売する業務用商品が主力で、全体の売上高の6割を占める。しかし、1人暮らし世帯の増加で個食化が進み、近年では家庭用商品の需要も増加。今後も拡大が続くとみて新工場の建設を決めた。

 さらに、昨年来の新型コロナの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」の広がりで家庭用が伸び、既存工場はフル生産となっていた。家庭用の売上高はコロナ禍前に比べて1・2倍の状態が続いているという。

 同社は「商品の生産量が増えるので、今後は積極的に販路を広げていきたい」としている。