アシックス本社＝神戸市中央区港島中町７

　スポーツ用品大手のアシックス（神戸市中央区）は１２日、新中期経営計画（２０２１年１２月期～２３年１２月期）を発表した。電子商取引（ＥＣ）の売上高を、１９年１２月期比３倍の８３０億円以上に伸ばすことなどを盛り込んだ。ランニング向けのアプリなどの普及を進め、デジタルを軸にした経営への転換を図る。

　１９年１２月期のＥＣ売上高は２７８億円で、連結売上高全体の７・４％だった。オンラインで走り方に助言するサービスなどを通じ、顧客に合った製品を提案。売り上げ増を図る。

　計画通りなら、ＥＣ比率は２３年１２月期に２割程度になるとみられる。ＥＣ化の進展に伴い、直営店は縮小する方針という。

　スポーツシューズの販売は、豪州のラグビーや日本のバスケットボールなど地域ごとに需要の高い製品に特化し、収益性を高める。

　最終年度の連結営業利益目標は２５０億円（１９年１２月期比約２・４倍）とし、営業利益率は６％（同３・２ポイント増）に引き上げる。オンライン会見した廣田康人社長は「社会環境や時代の変化に対応した経営を目指す」と話した。（中務庸子）