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但馬牛母牛、年200頭増へ 消費回復予想し兵庫県が10年計画

2021.02.02
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神戸新聞NEXT

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 兵庫県産ブランド牛肉・神戸ビーフになる黒毛和牛「但馬牛(うし)」について、県は繁殖用雌牛(母牛)を2030年度まで年200頭のペースで増やす計画を固めた。20年度内にまとめる21年度から10年間の行政指針「ひょうご農林水産ビジョン2030」に盛り込む。

 新型コロナウイルス感染拡大で外食消費が落ち込んだが、長期的には消費が回復すると予想。30年度の目標を、19年度末の1万4060頭から約14%増の1万6千頭とした(実頭数)。生産者の後押しと一層の市場拡大を図る。

 新計画では、訪日外国人客(インバウンド)を含む国内消費と輸出による神戸ビーフの需要量を、年間2千トン(7200頭分)に設定。母牛1頭が生む子牛の数、県外に買われていく頭数、食肉センターに出荷された但馬牛(うし)のうち神戸ビーフに認定される割合などを加味し、必要な母牛の数を計算した。

 近年の神戸ビーフ人気に対応するため、県は大規模牛舎の整備補助などで農家を支援してきた。県畜産課は「県内の血統だけで繁殖させるため急には増やせないが、ここ数年の母牛の増頭ペースを維持していきたい」としている。

 県はこれまで、頭数把握の基準として、推計値を含む国の畜産統計を採用。20年度2万頭の目標に対し、19年度に1万7100頭になったとしていた。新計画から、随時確認が可能になった全国和牛登録協会(京都市)の登録実頭数に変更する。(山路 進)