経済
イネ食べ荒らすジャンボタニシ 兵庫の被害、過去最大に
イネを食べ荒らすジャンボタニシ(品種名スクミリンゴガイ)の被害が兵庫県内で急増している。2020年度の被害面積は過去最大を記録。土の中で越冬する生態を踏まえ、県病害虫防除所(加西市)は、田植えまでにトラクターで田んぼを耕運し、貝を砕いて防除するよう呼び掛けている。(山路 進)
ジャンボタニシは、水田や水路の土中で越冬し、県内では3月下旬に活動を再開。4月ごろから雑草や水路などに産卵し、田植え後から約3週間までの茎が軟らかい時期にイネを食べる。卵は濃い桃色で、300個程度の塊で産み付けられる。有害な線虫が寄生しており、県は卵を素手で除去しないよう呼び掛ける。
県によると、県内での被害は県央から淡路島南部に及ぶ。被害面積は、11年度の0・1ヘクタールから16年度には24・4ヘクタールに拡大。暖冬に伴い、越冬するジャンボタニシの増加が被害拡大の要因と考えられるという。
厳冬で18年度は縮小したが、19年度は再び増勢に転じ、20年度は36・3ヘクタールと過去最大となった。被害面積は、田ごとに3割以上の減収で補償される農業共済の利用状況から推計。ただ、補償要件に満たない被害田もあり、実際の面積はより大きいとみられる。
ジャンボタニシは水面より上のイネを食べない習性があり、同防除所は、田植え直後の水深を1センチ以下にするよう推奨。レーザー制御による農機の付随機で、水田の凹凸をなくすことも勧める。被害が発生しても、田植え直前や稲刈り直後の田に粒状の農薬「石灰窒素」を散布すれば、ジャンボタニシを駆除できるという。
県は、ジャンボタニシ対策を強化するため、20年度補正予算と21年度当初予算案で計約1300万円を計上した。県内12カ所を選定し、田んぼの水平化や冬場の耕運などに必要な経費の補助などを進める。
【ジャンボタニシ】 南米原産の淡水の巻き貝で、殻が5センチ以上に育つ。寿命は2年程度。2センチまでの貝は寒さに強く、土中で越冬する。1981年に台湾から食用で日本に流入。兵庫県内を含む各地で養殖されたこともある。細かな草も食べることから、除草用に水田で使われたこともあったという。
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