ひょうご経済プラスTOP 経済 シンコ「高値疲れ」で急落? 1キロ4000円から1500円以下に

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シンコ「高値疲れ」で急落? 1キロ4000円から1500円以下に

2021.03.18
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イカナゴのシンコが1キロ1500円に下がり、列を作る買い物客ら=11日午後、神戸市垂水区神田町

イカナゴのシンコが1キロ1500円に下がり、列を作る買い物客ら=11日午後、神戸市垂水区神田町

 瀬戸内海の春の味覚、イカナゴのシンコ(稚魚)の店頭価格が兵庫県内で下落している。キロ単価は解禁日(6日)の4千円前後から、数日後には1500円以下に急落。近年の不漁傾向は今年も変わらないが、「高値疲れ」とも言える一般消費者の買い控えが要因とみられる。

 兵庫県明石市の林崎漁港で解禁日の初値は1籠(25キログラム)9万5千円だった。今年も漁獲量の大幅な回復は見込めず、高値で推移するとみられたが、8日には早くも価格が下がる港が出始めた。大阪湾で今年の漁を終えた11日は、神戸市垂水区の垂水漁港で1籠平均が約1万1千円にまで下落した。

 同日午後、JR垂水駅前の鮮魚店は1キロ1500円で販売。藤井洋佑店長(37)によると、6日は同3500円で売れたが9日は2千円でも買い手は少なく、「赤字覚悟の値下げで売り切った」という。11日に来店した70代の女性は「この数年は高くて、くぎ煮を炊けなかったけど、この値段なら」と笑顔を見せた。

 かつて県内でのシンコ漁は、1万~2万トン台の水揚げがあった。しかし、水質改善による海の「貧栄養化」で2017年に不漁となり、1001トンに急減。20年は過去最少の147トン(速報値)に落ち込んだ。

 不漁に呼応し、港での取引価格も急騰。例年の1籠平均4千~7千円台から、17年は5万6千円に跳ね上がり、20年は14万円を付けるなど「不漁バブル」とささやかれるほど高騰した。

 今年も大阪湾の漁が実質3日で終え、不漁に陥った17年以前の水準には届かない。それでも競り値と店頭価格が下落する要因について藤井店長は「高値の印象が強く、購入をあきらめている」と推測する。

 シンコはくぎ煮に適した3、4センチ大が最も好まれるため、解禁後の成長とともに値は下がるが、漁業関係者は「それにしても、今年は下落ペースが早い」と言う。播磨灘でも値は下がり、競り値は1籠1万円前後。藤井店長は「昨年までは高くても客の列ができていた。値が下がれば再び売れる」と期待を寄せた。

■播磨灘順次漁終了

 淡路島以西の播磨灘でのシンコ漁について、同島西岸の漁業者は17日で、明石市以西の漁業者は20日に終えることを決めた。

 漁は6日に解禁。不漁傾向を受け、資源確保のため終了を判断した。大阪湾では11日で終えている。(山路 進)