経済
神戸北野ホテルや都ホテル尼崎 米ファンドに売却
近鉄グループホールディングス(HD)は25日、京都市や神戸市などにある八つのホテルを米投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道やホテルの需要が低下しており、事業の構造改革を進める。八つのホテルの帳簿価格は計423億円(昨年3月末時点)で売却額はそれを上回るとみられる。
売却対象は、都ホテル京都八条(京都市)やホテル近鉄ユニバーサル・シティ(大阪市)、都ホテル博多(福岡市)など。ほかに、神戸北野ホテル(神戸市中央区)と都ホテル尼崎(尼崎市)の兵庫県内の2物件がある。いずれも従業員の雇用は維持し、ホテル運営は続ける。
神戸北野ホテルは1992年に開業。95年の阪神・淡路大震災の影響で一時休業したが、2000年に再開した。総支配人兼総料理長で「現代の名工」にも選ばれた山口浩氏による「世界一の朝食」で知られる。
近鉄グループHDによると、保有はブラックストーンに移った後も、同氏が代表を務める会社が運営を担うという。
都ホテル尼崎は、93年に「ホテルニューアルカイック」として開業した。近畿日本鉄道(大阪市)が住友生命保険から建物取得後の11年に「都ホテルニューアルカイック」に改称。19年に現名称となった。185室を備え、尼崎市を代表するホテルの一つとして運営してきた。いずれも屋号は変更しない。