ひょうご経済プラスTOP 経済 地エネの酒 for SDGs(6)地球温暖化

経済

地エネの酒 for SDGs(6)地球温暖化

2021.04.22
  • 印刷
地エネの酒「環(めぐる)」の仕込みに励む壷阪雄一さん=宍粟市山崎町山崎、山陽盃酒造

地エネの酒「環(めぐる)」の仕込みに励む壷阪雄一さん=宍粟市山崎町山崎、山陽盃酒造

■常態化する米の高温障害

 地球温暖化などの気候変動は、日本の農業の中心である稲作を年々難しくしています。兵庫県で誕生し、種が80年以上守られてきた最高級酒米山田錦はその影響が顕著です。

 「95」という2020年の米の作況指数(平年=100)は、兵庫ではこの30年間で2番目に悪い数字でした。山田錦に限った正確なデータはありませんが、酒米としての強みである大粒が減り、「90より悪い」「過去最悪では」との声も多く聞かれます。

 原因は7月の日照不足、害虫トビイロウンカの発生もありますが、最も心配されているのが常態化する高温障害です。

 稲穂ができる8月後半から9月初めの異常高温が原因で未熟粒などが増え、米にひびが入る胴割れが起きやすくなる現象です。

 「米の表面が硬い」「溶けにくい」という言葉を多くの酒蔵で聞きます。

 「地エネの酒 for SDGsプロジェクト」の日本酒蔵元の一つ、山陽盃酒造(宍粟市)専務の壷阪雄一さんも酒米に起きている変化を懸念しています。

 「最近は高温障害の年の方が多い。米のでんぷんの質が変わり、できるアルコールが少ないので仕込む水の量を減らすなどして対応しています」

 豊倉町営農組合(加西市)の田中吉典さんは、気象データに目を向けます。周辺地域の20年8月の平均気温は、13年の同月比で約1・5度上昇。逆に降水量は約150ミリ減りました。

 「稲は水が豊富にないと育てられない植物です。水の面からも地域の気候変動に具体的な対策が必要」と田中さんは訴えます。

 気候変動に対しては、温暖化に歯止めをかける自然エネルギーへの転換と、いま地域が直面する危機への対策の両方が求められています。(辻本一好)

【地球の気候変動】農作物の栽培適地が北上し、高温化で特産品を失う地域が増えるといわれています。新型コロナウイルス禍と温暖化という難題に直面する世界では、自然エネルギーと環境優先技術で社会を立て直すグリーンリカバリー(緑の回復)の動きが活発化しています。

     ■     ■

 地エネの酒の情報、エネルギーや環境のメルマガとコラムなどは、情報サイト「地エネnote」へ。