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「お風呂が沸きました」ノーリツの給湯器の音声 特許庁の音商標に登録

2021.05.01
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お湯張り完了の音声を搭載するノーリツの給湯器リモコン(同社提供)

お湯張り完了の音声を搭載するノーリツの給湯器リモコン(同社提供)

お湯張り完了の音声を搭載するノーリツの給湯器リモコン(同社提供)

お湯張り完了の音声を搭載するノーリツの給湯器リモコン(同社提供)

特許庁の音商標に登録されたノーリツのお湯張り完了メロディー(同社提供)

特許庁の音商標に登録されたノーリツのお湯張り完了メロディー(同社提供)

 ♪ソファミ~ソドシ~ソレド~ミ~で始まるメロディーに続いて「お風呂が沸きました」の声。日本人の3人に1人が聞いているというノーリツ(神戸市中央区)の給湯器の音声が、特許庁の音商標として登録された。クラシック音楽を含む音声では初めてといい、手続きに奔走した担当者は「多くの人に愛されるメロディーは私たちの誇り」と喜んでいる。

 同社の家庭用給湯器のリモコンから、自動のお湯張りが完了するタイミングで流れる。視覚障害者の不便を解消しようと1997年に登場した。

 メロディーはオリジナルではない。ドイツの作曲家テオドール・エステンのピアノ曲「人形の夢と目覚め」から、第2部「夢を見ているところ」の一節を引用している。

 聞き飽きないクラシック音楽などから10曲の候補を選んだ。当時の担当者が「ワンフレーズが10秒程度」「鉄琴の音でも違和感がない」といった条件で絞り込み、最終的に「お風呂に入る高揚感や幸福感が表現できる」と決めた。

 同社によると、2020年までのリモコンの累計販売は約1625万台で、1世帯平均人数を掛けると、日本の人口総数の約30%がこの音声を耳にしている計算になるという。

 文字や図形だけだった商標が、音声などにも適用されるようになったのは15年のこと。小林製薬の「ブルーレット」、大正製薬の「ファイトー/イッパーツ」など、おなじみのフレーズが認定を受けた。

 ノーリツも17年に出願したが、オリジナル曲ではない上に、社名や商品名が入っておらず「ノーリツと識別できない」として却下された。

 「ここで引き下がるわけにはいかない」。知財部が動いた。テレビCMの放送実績、社内報の記事などを集めて資料を作り直し、認知度の高さやノーリツとしての愛着をPRする形で18年に再出願した。

 今年3月、メロディーとその後の声を合わせた計11秒の音声は音商標として登録された。スタッフは「念願がかなった。長年親しまれたフレーズをこれからも大切にしたい」と話している。音声は同社の公式ユーチューブチャンネルで聴ける。(中務庸子)