経済
シャルレ、創業家出身の林氏が社長復帰へ 奥平氏は退任
女性下着販売などを手掛けるシャルレ(神戸市須磨区)は13日、創業家出身の林勝哉氏(52)が社長に復帰するトップ人事を発表した。奥平和良社長(60)は退任する。いずれも6月23日付。
林氏は、経営陣による自社買収(MBO)を巡る不適正な情報開示があった問題で、2008年に社長を解職された後、取締役を辞任した経緯がある。
ただ、同社によると、自社の指名委員会が、業績不振で引責辞任する意向を示した奥平氏の後継者が育成されていないとして、林氏の起用を決めた。指名委は林氏の法令順守などへの意識が改善されていることを確認したとしている。
林氏は創業者夫妻の長男。テン・アローズ(現シャルレ)の社長だった女子バレーボールの五輪銅メダリスト、三屋裕子氏を07年に解任した後の社長に就任した。その後、林氏はMBOを巡る情報開示問題で取締役を退いていた。
シャルレによると、林氏は発行済み株式の5・2%を保有。創業家全体では約40%を握るという。
同時に発表した21年3月期連結決算は、新型コロナウイルス禍で主力の下着訪問販売の低迷が響いた。20年8月にシャワーヘッド製造と販売の2社を買収して連結決算に移行。前期と比較できる単体ベースで売上高は17・6%減った。純損益は15億700万円の赤字(前期は7300万円の黒字)に転落した。22年3月期の連結決算は、シャワーヘッド製販子会社の利益が貢献し、黒字転換を見込む。(塩津あかね)
【林 勝哉氏】(はやし・かつや)関西学院大経済学部卒。94年伊藤忠商事、00年シャルレ。04年副社長。07年社長、08年社長退任。神戸市垂水区出身。