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神戸産茶のリキュール開発 茶園、酒卸、ワイナリーがタッグ

2021.05.18
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新商品の試作品などを手にする(左から)静香園の前裕二社長、神戸酒類販売の高田康弘専務、神戸みのりの公社の松本紀之さんら=同市灘区原田

新商品の試作品などを手にする(左から)静香園の前裕二社長、神戸酒類販売の高田康弘専務、神戸みのりの公社の松本紀之さんら=同市灘区原田

 神戸市内唯一の茶園で摘んだ新茶のリキュールづくりが進んでいる。神戸酒類販売(神戸市中央区)と神戸みのりの公社(同市西区)が、同市灘区で茶葉を栽培する「静香(しずか)園」と提携。同公社のワインを蒸留してつくったブランデーに茶葉を漬け込み、風味を移してリキュールに仕上げる。6月下旬の発売予定で、関係者らは「茶葉から抽出した酒は珍しく、神戸の新たな名物に育てたい」と意気込む。(山路 進)

 新商品は、同公社のワインを蒸留したアルコール度数約60度のブランデーに新茶の葉を数日間浸漬。グラニュー糖とビタミンCに水を加えて、同10度のリキュールに仕上げる。

 茶葉の収穫は今月15日に始まった。兵庫県丹波篠山市の製茶工場で加工した後、同公社のワイナリーでブランデーに漬け込み、新茶の味と香りを溶け込ませる。300ミリリットル換算で500本前後を製造する予定。商品名やラベルデザイン、販売先などを詰め、6月下旬に発売する予定だ。

 神戸産の茶は明治期に灘区周辺で盛んにつくられ、神戸港の一大輸出品だった。栽培が途絶えた茶を復活させようと、静香園の前(すすめ)裕二社長(65)と父が1976年、同区の摩耶(まや)山の登山道脇に約45アールの畑を整備。毎年5月に摘んだ新茶を中央区の直営店で販売する。

 新商品づくりは、神戸酒類販売が企画した。高田康弘専務(36)が昨年、摩耶山登山の途中で静香園の茶園を見かけたのがきっかけ。「歴史のある神戸茶のお酒ができるのでは」と、同公社に相談を持ち掛けた。

 同公社は約15年前から、神戸産ブドウによるワインを蒸留してホワイトブランデーを造っており、地元産の桃などを漬け込んだ果実酒を検討中だった。大西省三ワイン事業部長(62)は「神戸で茶葉がつくられているとは知らなかった。まずはお茶を使ってみよう」と開発を即決。静香園の前社長に連絡し、わずかに残る昨年の一番茶で今年1月から試作に取りかかった。

 京都や静岡に抹茶入りの純米酒や焼酎はあるが、茶葉から抽出する酒類は見当たらなかった。茶葉を加えるタイミングや浸漬時間、温度などを変えながらの試作が続いた。同公社製造課の松本紀之さん(51)は「緑茶独特の味や香り、翡翠(ひすい)のような澄んだ色を再現できた」と話している。神戸酒類販売TEL078・795・0410