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10社が赤字転落、交通やアパレル苦境 兵庫県内の上場74社 21年3月期決算

2021.05.25
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神戸新聞NEXT

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 兵庫県内に本社・本店を置く上場74社の2021年3月期(20年4月~21年3月)決算が出そろった。新型コロナウイルス禍で業績に深いダメージを受けた企業がある半面、「巣ごもり需要」や半導体、自動車の需要増で過去最高の業績をたたき出す企業もあった。業績の動向が上向きと下向きに分かれ、「K字」に似た軌跡を描く二極化傾向が県内でも鮮明になった。

 20年3月期(19年4月~20年3月)に比べて、売上高と最終的なもうけを示す純利益をともに減らした(減収減益)企業は全体の30%に当たる22社に。さらに大きな打撃を受けて、純損益が赤字に転落した企業も14%の10社だった。一方、売上高と純利益をともに伸ばした(増収増益、黒字転換)企業も27%の20社あった。

 新型コロナによる外出自粛で、山陽電気鉄道と神戸電鉄が減益となり、神姫バスは赤字に転落した。商業施設に入る店舗への来客減で、アパレルのワールドも赤字に。製造業では、川崎重工業や住友精密工業など航空機関連が低迷した。半面、小売業の関西スーパーマーケットやG-7ホールディングス、半導体関連のトーカロや日本電子材料は過去最高業績だった。

 3月期決算の県内上場企業は76社だが、開示延期などの2社を除く74社で集計した。(高見雄樹)