経済
純神戸産スモークサーモン 生からの薫製、みずみずしく 須磨の養殖業者
神戸市の須磨海岸沖で2018年冬からサーモンを養殖する「すまうら水産有限責任事業組合」は、スモークサーモンの商品化にこぎ着けた。水揚げ直後、生のまま市内の薫製会社に運び込み、風味豊かに仕上げる。生魚の需要が伸び悩んでおり、通年販売の新たな収益源に育てる。(山路 進)
冬場、沖合のいけすに体長約20センチ、重さ数百グラムのニジマスの稚魚を投入する。2キロ前後に育つ3~5月、市内の飲食店に生で出荷するほか、同組合の直売所はみそ漬けでも販売する。安定収益に向けた薫製の開発は当初からの目標で、自分たちでも試したが大量生産は難しかった。
サーモンの安定生産にめどが立ち、委託加工に掛かろうと昨年12月初旬、いけすに稚魚1200匹を放った。ところが年末、季節外れの赤潮で魚が全滅。あわてて今年1月中旬から稚魚を育て直し、どうにか3月、重さ1キロを超えるサイズにまで成長させた。
「作るなら地元で」と、加工業者を探し、インターネットで兵庫区の「オーシャンベスト」にたどり着いた。生のサーモンを塩漬けし、ヤマザクラのチップを使って15度以下でじっくりいぶす。刺し身のような食感と、濃厚な味わいを両立させたという。
門田和士社長(67)は「須磨での養殖は聞いていたが、まさか関われるとは。生からの薫製は珍しく、みずみずしく仕上がった」と胸を張る。
同組合の森本明代表(57)は「養殖から加工まで純神戸産。名物に育てたい」。50グラム入り600円。来年は1万袋の販売を目指す。JR須磨駅南の同組合直売所で扱う。同組合TEL078・735・4200



















